春休みということで、年長のお子さんの負荷試験も目立ちます。
先日、10代のお子さんにイクラの負荷試験を行ないました。
以前、軽く症状が出たようで、アレルギー検査でも数値が少し出ていたので、ずっと除去していました。
給食では除去が必要になるため、学校生活管理指導表の記載を求めて受診されたのですが、改めて数値を見てもさほど高くなく、「果たして今後もずっと除去が必要だろうか?」という疑問がフツフツと湧いてきました。
専門医として「正しい診断書を書きたい」というプライドもありますし、子どもはあっという間に大きくなりますし、ここで見直しをしておかないと、ずっと除去し続けることになるかもしれません。
「一度負荷試験をして、再評価しませんか」と提案したら、母も理解を示して下さり、「春休みのうちに」ということで予定を組みました。
昨日も触れましたが、私や親御さんの間で話が進んでも、本人が食べてくれなければ、何も前に進まないことになります。
今回のケースでは、患者さんがイクラに興味津々で、「怖いけれど、食べてみたい」という気持ちもあり、負荷試験は実施できました。
以前、イクラの負荷試験をやった時に、1粒を舐めて、つぶさずに口から出させたのですが、それだけで口の周囲にじんましんが広がったケースを経験しており、今回もそれに準じたやり方をしたのですが、口に違和感はあったようですが、目に見える症状は出ませんでした。
それから1粒食べ、2粒食べと慎重に進めていきました。1粒くらいじゃ味もよく分からないと思うのですが、興味のあったイクラを食べることができ、「美味しい」と言っていました。
若干口の周りに発赤が出るものの、じきに消えてしまうため、負荷試験は続行としていました。ただ、残念ながら、規定量の残り全部を食べたところで、瞼の下にじんましんが出てきてしまいました。お腹も少し痛いと言っています。
負荷試験は食べられるかどうか、シロクロをつける検査ですが、結果はある程度食べられることは分かったものの、クロということになると思います。
せっかく「美味しい」と言ってイクラの味を占めたのですが、最後の最後に症状が出てきてしまいました。基本的には除去という判定になります。これはお母さんとも言っていたことですが、何か残酷と言えば残酷な結末です。
最近、魚介類やナッツ類、ソバなども積極的に負荷試験を行なっています。こういう治りづらいアレルゲンは、なかなか食べるきっかけもなく、延々と除去し続ける傾向にあります。
食べられないにしても、微量でも口にしたらショックを起こすのか、そうでもないのかを把握しておくことは、本人や親御さんにとっても自分の身を守る意味で有用な情報だと思っています。微量でショックを起こすようなら、エピペンの携帯は必須になると思います。
今回のイクラの負荷試験もそういう意味合いもありました。エピペンは出さなくてもよさそうです。結果を踏まえた食事指導は判断が難しいですが、数粒なら食べていいかもしれません。
イクラの味を占めさせてしまった上で除去との判断になりましたが、それはそれで現在どれだけ食べられるかの“真実”は伝えられたのだろうと思っています。


