昨日もエピペンに関する講演に行ってきました。
行き先は柏崎市。私が開業前に勤務していた病院のある街です。
市の外れにダムがあるのですが、その方面はワインディングロードがあり、車の運転が好きな私にとってその道は私のドライブコースになっていました。
天気もよく、講演開始に少し時間があったため、そのワインディングロードに寄り道してきました。もちろん山道なのですが、山桜がところどころに見え、久々に爽快な気分を味わうことができました。
それから目的地の小学校に着き、キッチし仕事をしてきました。1時間半程食物アレルギーの考え方のほか、誤食時の対応についてお話しさせて頂きました。
いつも我がままを言わせて頂いているのですが、じっくり話をしたいので1時間半くらいは頂いています。30分や1時間で話をしろと言われても、食物アレルギーとはどういう病気か?、どう診断するのか?ということでさえも一般的に理解が十分されていないのは日頃の診療で痛い程分かっているつもりです。
「エピペンはこのように使用して下さい」だけでは、エピペンを持っているお子さんの緊急時に何とか対応できても、十分な理解を伴わなければ、時間の経過とともに忘れてしまうことでしょう。また、誤食時に、エピペンを使わなくてもいい程度の症状だと、どうしてよいか分からなくなってしまいます。それでは私が出向いて話をする程のことでもないのかなと思っていますし、DVDを観るのとそう変わりはなくなります。
そんなこともあっての1時間半なのです。特に学校の場合、17時までは終わらせたいというのが本音のようで、私の希望を考慮すると、15時半開始、17時終了という形になることが多いようです。
日頃偉そうなことを書いているかもしれませんが、私はまだまだ学ぶことが多い、発展途上の未熟者です。
ただ、多くの専門でない医師にとって「アレルギー」は知っているようで知っていない病気のようです。現実問題として、ぜんそくやアトピー性皮膚炎をキチンと診断できている小児科医は少ないように感じています。
そういう状況では、もちろん病状に見合った治療なんてできません。体質によるもので、すぐには治らないのが「アレルギー」ですから、いい加減な治療では治まるものも治まらないことになります。知らないうちに患者さんが苦痛を強いられていることになってしまいます。
多くの患者さんは「お医者さんが間違うはずがない」と考えていますが、申し訳ないですが、意外と間違いが多いのが「アレルギー」だと思っています。そういう事実を患者さんに知って頂かなければ、新潟県の患者さんを救うことができないと思っています。
以前よりは専門医思考が進んでいるようですが、まだまだ不十分と思っており、もっともっと患者さんに知っておいて頂きたいことは沢山あります。そういうメッセージを日々患者さんに送り続けているつもりです。
「弱い犬ほどよく吠える」と言いますが、私のことをそう思って頂いても構いません。ただ、誰かが日本の医療の“落とし穴”を指摘しなければいけないと思っています。
開業すると、多くの医師は学会活動はあまりしないのが常のようです。私は勤務医時代は結構怠けていましたが(汗)、逆に開業してから学会発表をするようになりました。
開業医は、通常一人きりです。間違ったことをしても、「あんた、間違っているよ」と誰も指摘してくれません。患者さんの多くは「お医者さんが間違うはずがない」と思っているので、“チェック機能”が働かなくなります。時代遅れのことをやっていても、誰も何も思わず、それが延々と繰り返されることになります。これが開業医における「危険性」だと思っています。
私は開業医こそが、学会に積極的に参加し、スキルアップをすべきだと思っています。一方で、「休めない」、「学会に行く暇もない」という医師もいますが、それは違うのではと思っています。
小児科の医院は、どこも混雑しているようですが、いろいろな“医療”があるように感じています。混雑する患者さんをさばくだけの“医療”もあるようです。患者さんはモノではないので、少なくとも症状が改善していなければ「何故良くならないのか一緒に考える」という態度は不可欠だと思っています。
同じ薬を出して「これで様子をみて」と私ならなかなか言えませんが、そうしている医師は少なくないようです。患者さんも医師からそう言われては、何も言えなくなります。それを許していると、どんどん怠け癖がついてしまいます。
良くなっていないのに、同じ薬を出し続けるのは“ヤブ医者”のやることだと思っており、“ヤブ”になりなくないかどうかは、医師の良心にかかっているのだと思います。
私もまだ“ヤブ”の領域に属しているのかもしれませんが、少なくともそこから這い出たいという気持ちは持っていますし、これからも持ち続けていたいと思っています。


