小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

よくある例
2014年05月22日 更新

昨日も水曜午後ということで、とある園に食物アレルギーの講演に行ってきました。

私のような者の話でよければ、どこにでも行く心づもりです。だいたい1時間半しゃべり続けるのですが、疲れるのは疲れます。しかし、園や学校の現場は食物アレルギーに関する情報不足で困っています。もちろん、達成感はあります。

それよりも何よりも、地域貢献していると実感が持てます。医師の仕事って、医院に来た患者を診察して、お金をもらっている訳ですが、そういう意味では、普通のお店とそんな変わりはないと思います。サービス業の部類に属しそうです。

地域の子ども達の健康を守るという観点では、地域貢献していると言えるのかもしれませんが、私の場合はイマイチ実感が持てません。ただ、こういう院外活動を通して、自分の得意分野の知識を周囲に少しは還元できているという気持ちはあります。

園や学校を個別に訪れることで、そこに通う患者さんの病状を知って頂くことができます。過去に少量のアレルゲンでアナフィラキシーを起こしたとしたら、そのことを職員の方々に是非とも知っておいて頂かねばなりません。

逆に、そうすることで情報共有ができます。これまでは園や学校と医師との関わりは、親御さんを通してだけでした。親御さんの理解度によっては、正しく伝わらないこともあるかもしれません。もちろん、園や学校が直接主治医に質問したいこともあるでしょう。

そういう意味で、園や学校に出向いて話をするという活動は、止められないし、もっと広がるべきだと思っています。

昨日も、園に通うお子さんの話も講演に中に組み入れました。親御さんが除去に至った経緯を話しました。

昨日の患者さんは、こうです。1年以上前に、寿司屋でツブ貝の載ったシャリを食べて、じんましんが出たそうです。それ以来、イカ以外の魚介類を除去していると言うのです。

かかりつけ医に相談したところ、アレルギー検査をしたのみで、原因検索がなされることもなく、適切なアドバイスもなく、それ以来イカ以外の魚介類の除去が始まったようです。

親御さんの不安な気持ちは察することができますが、冷静に考えると、このエピソードで、そういう除去になった理由が知りたいし、「根拠は何?」と聞きたくなります。エビはクラス2、イクラが3、タラコが4でしたが、カニ、タコ、ホタテなどはクラス0でした。クラス0だから、原因ではないと言い切れませんが、イカ以外の魚介類の除去という現状は、合点がいきません。

本来、かかりつけ医がハッキリさせるべきでしたが、多くの小児科医の対応はこの程度のものでしょう。こんないい加減な対応を続けさせるのなら、専門医に紹介すべきですが、除去しておけば何も起きないのだから、紹介の必要もないと思っているのでしょうか?。

ツブ貝でアレルギー反応を起こしたのかもしれませんが、ツブ貝は血液のアレルギー検査の項目がありません。ただ、皮膚テストはやろうと思えばできますが、専門医でなければ実施することもないでしょう。

あくまで推測ですが、イクラの汁がシャリに付いていて、こういう事態に陥ったという考えも成り立つと思っています。医者側が、できる限りシロはシロ、クロはクロと言ってあげなければならないケースです。

この患者さんは、エビは当時は食べていないようですが、数値も低く、食べられない訳ではないと感じているため、不要な除去を避けるため負荷試験をやろうと思っています。私であれば、そうやってアプローチしようと思っています。

こういうケースは、よくある例と思われ、本当はよくあって欲しくはないのです。昨日の参加者には、こういう話もさせて頂きました。

一般の方は、「お医者さんに相談すれば大丈夫」と思っているでしょうが、昨日の話を理解して頂ければ、“大丈夫でない”ことがお分かり頂けたのではと思っています。