サッカーワールドカップ、昨日の試合は残念でした。
私はサッカーは詳しくはないですが、選手が必死に頑張っているのは見て理解できました。見る人が見れば、なのかもしれませんが、ネットニュースでは監督の采配が悪いとか、いろいろ否定的なことが書かれています。
結構惜しいシーンもありました。ある意味、結果が全てとは言え、頑張ってきた過程も大事だと思っています。そういう意味で、関根勤さんがいいことを言っています。
「よく頑張ってくれたと思います。結果が良くないとすぐに文句や否定的なことを言う人がいるけど、そういうのは腹が立つ。文句を言うなら、じゃあ、あなたは何をやったんだと聞きたい。失礼だと思うんだ。それなら、自分のやってきたことをレポートにまとめて、名前と住所を書いて提出してから言ってほしい。ワールドカップに出るだけで、すごいことなんですよ。空港に行って、選手たちを拍手で出迎えてあげたい気持ち」
まだワールドカップは終わっていないけれど、私も同じ気持ちです。
先日、あるオファーを受けました。小学生に食物アレルギーの話をして下さいというものでした。
これは正直簡単ではないと思います。確かに毎週水曜日には県内各地を駆けずり回っています。保育園や幼稚園、小学校、中学校、時には高校にも出向いています。対象は園や学校の先生方です。
一番伝えるべきは、エピペンの使い方を含む誤食時の対応ですが、食物アレルギーの基礎知識も一緒に学んで頂いています。先生方も一番知りたいのは、誤食時の対応かと思いますが、食物アレルギーのことを学ぶ機会がなかったでしょうから、「敵」を知らずに対応するというのも難しいことだと思っています。
実は、来月県の栄養士会の方から講演を依頼されています。もちろん対象は栄養士さんですから、話の内容は変わってきます。
つまり、園や学校の先生には誤食時の対処法が中心になるし、栄養士さんは誤食時にエピペンを打つようなシチュエーションは考えづらいので、誤食時の対処法を詳しく話す必要はないと思います。
その分、アレルゲン別の特徴などを話す方がいいはずです。これは基本的なことで、多くの栄養士さんもご存知でしょうが、加熱の影響を受けるのは、卵、乳、肉類、果物くらいで、他の豆類、ナッツ類、穀類、魚類、魚介類などは加熱しても影響はほとんどないようです。
アレルゲンが水に溶けるかどうかもポイントでしょう。私の診ている患者さんで、卵アレルギーがあるため、仕出し弁当に入っていた卵焼きを取り除いた上で食べたら、アナフィラキシーを起こしたお子さんがいました。
実は、卵焼きの隣にカボチャの煮付けが接していて、オボムコイドという卵タンパクが水溶性という性質を持っているため、カボチャの煮付けに乗り移っていたためだろうと考えています。また、エビに含まれるタンパク質のトロポミオシンも、水溶性の性質を持っており、エビを含む茶碗蒸しの上澄みに含まれることもあると言われています。
魚類の主要アレルゲンはパルブアルブミンとされていますが、当院でも特に重症な魚アレルギーの患者さんは、どの魚もアレルギー症状が誘発されてしまい、食べられません。どの魚にも多かれ少なかれパルブアルブミンが含まれるせいだと考えています。
魚を食べる秘策として、焼き魚は食べられないけれど、缶詰なら食べられることもあることは経験済みです。ただし、重症だと缶詰でさえも症状が出てしまうこともあります。
小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、アレルギー検査の項目は「小麦」よりも「ω-5グリアジン」が有用とされています。ただし、臨床の現場では、これらが陰性のケースもあります。
こういう風に食品別の話に臨床経験を絡めて話せば、少しは栄養士さん達に興味深い話ができるのではないかと思っています。栄養士さんには、過去に何度か話させて頂いており、それなりの話はできそうかなと思っています。
再来月には、小児科の先生を対象に外来で行なう負荷試験の話をさせて頂くことになっています。これは、いかにリスクを少なくして安全に“食べさせる”ということに取り組んでいるかと言うことを、テクニックも含めてお話しすることになるので、これまた話す内容というか方向性は異なってきます。
私にとって未体験ゾーンは、子ども達に話すことです。誤食時の対応を詳しく話すのもちょっと違うと思うし、ましてや栄養的なことを話し過ぎてもいけません。
私はいつも講演の時に、調布市の事故でどういうことが起きたかということにも触れています。子ども達にあまりに死というものを生々しく話すのも問題があると思っています。さじ加減がとても難しいのです。
話をするのは9月のことなので、頭の中で練りながら準備を進めたいと思っています。


