春に比べ件数は減っていますが、毎日のように負荷試験をやっています。
先日は、お隣の糸魚川市の患者さんに牛乳の負荷試験を行ないました。経口減感作というか、免疫療法をもってしても、卵や小麦は治りやすいけれど、牛乳が治りづらいと言われており、牛乳の負荷試験はとりわけ緊張します。
アレルギー検査の数値が高いのも病気が重いことの表れだと思っていますが、過去のアナフィラキシー歴があるのも、リスクだと言われています。この患者さんの場合、乳児期に微量の乳製品でじんましんが広がったという過去がありました。
実は、当院に受診したのはつい最近のことではありません。昨年、牛乳アレルギーについて相談を受けていました。
やはり、過去にこういった強めの症状が出ていると、「負荷試験をやって確認しましょう」と口では言いつつも、私の方だって逃げたい気持ちがない訳ではありません。でも、ここで私が逃げたら、県内には真摯に食物アレルギーに取り組んでいる小児科は極めて少ないので、患者さんに大きな迷惑を掛けてしまいます。
昨年、牛乳の負荷試験をやっているのですが、乳の加工品を用いて行なっています。より抗原性の低い食材を使った方が、アレルギー症状が出ても軽い、というか開業医でも対処できるだろうという発想です。
昨年の負荷試験は無事にクリアしています。約1年ぶりに「どこまで食べられるようになったか」を知りたくて受診されています。
この1年はそれなりに乳の加工品を摂り続けていたようです。では、ファイナルアンサーである牛乳の負荷試験をやりましょうということになりました。
負荷試験は、特にこういうケースでは最初の1口が緊張します。牛乳アレルギーが重症な場合、0.1mlでもアナフィラキシーショックを起こすことがあります。最初に1mlと少なくあげたつもりが、いきなりアウトということも起こり得ます。
ただ、当院の場合、加工品を摂ってある程度食べられることを確認していますので、0.1mlなどではなく、もう少し多い量から開始してよかろうと判断しています。
最初の1口をクリアし、徐々に増やしていきます。いきなり結論ですが、200mlを完食しています。
終わってみれば、最初の緊張も良い思い出です(笑)。乳児期に強めに症状を起こしても、それから4年程の歳月で治ってしまったようです。
昨年初めて当院を受診された際、乳製品は除去されていました。「少しは食べられそうだ」と考え、当院で乳の加工品の負荷を行い、その程度なら食べられることは確認しています。乳製品は完全除去することなく、「家で少しずつ食べさせてみて下さい」と言っていました。
そして今回の牛乳の負荷試験をクリアした訳ですが、いわゆる免疫療法のように少しずつ食べさせていたからこそ、牛乳の負荷試験が上手くいったのか、それとも自然の経過で勝手に治ってしまったのか、どちらかは判断が難しいと思います。
もし食べさせていることが良かったのなら、「オレが治した!」なんてことになるのかもしれませんが、自然に治っただけかもしれないし、もしくは2つの兼ね合いかもしれません。
私自身は、自分が治したかどうかはどうでもいいことなので、とにかく牛乳を除去や制限することがなくなってくれればいいのです。患者さんや親御さんにとって、完全除去という“無駄な努力”はしないに越したことはないのです。
「オレが治した」なんて方がやり甲斐があるのかもしれませんが、自分がどこまで患者さんに貢献できているかの判断がつきにくい以上、“無駄な努力”をしなくていいことを明らかにすることだけでも十分だと感じています。
明日以降、やり甲斐を感じつつ、負荷試験をやっていこうと思っています。


