昨日、救急車が当院にやってきました。
当院で診ている食物アレルギーの患者さんが、通っている保育園で息苦しくなったそうです。実は、この患者さん、当院から少し離れたところに住んでおり、ぜんそくも持っているのですが、そちらは近くの総合病院で診てもらっているようです。
そのことは知っていました。ぜんそくも本当なら私が診たいのですが、入院施設を持たないし、夜間緊急対応も難しく、親御さんが希望されない限りは当院では治療できません。
食事をまだ摂っていなかったので、食物アレルギーによる呼吸器症状ではないようです。その日、朝はそれ程でもなかったようですが、日中に咳が出て、肩で息をするような感じだったため、園側も慌てたようです。
ぜんそく発作なら、当院で診ていないので、一般的には私が診る必要はないと思うのですが、病院側が人手不足を理由に断ったようで、「それなら」と当院で引き受けることにしました。
ちょうど昼休みの時間だったのですが、病気は待ってくれませんので、仕方ありません。酸素濃度が低いという情報もあったのですが、それ程でもないようです。スタッフと受け入れ準備をしながら到着を待っていました。
しばらくして、患者さんが到着しました。食物アレルギーで見られることの多い蕁麻疹はなく、息苦しそうです。聴診器を当てると、ゼーゼーしています。熱はないという話でしたが、喉が赤くなっていました。
先程も言った通り、食事は食べたあとの発症ではないので、食物アレルギーではないようです。ぜんそくのお子さんをみているとお気づきでしょうが、風邪を引くと同時くらいにぜんそく発作を起こしやすくなります。
また、時々経験することですが、急に発作を起こしおかしいなと思っていると、少し遅れて熱が出ることがあります。要は風邪を引いて、ぜんそく発作が誘発されたということなのでしょう。
この患者さんも「どうして発作を起こしたのかな」と思っていると、来院後に測ると体温は38度を超えていました。やはり、風邪を引き金にぜんそく発作を起こしてしまったということが最も考えやすいと思われました。親御さんと、心配で一緒に来られた園長先生には、状況を説明しています。
ぜんそくという病気がしっかり治療されていると、いきなり発作は起こしにくいように感じており、この患者さんは調子の悪い時にだけキプレスという薬が処方されていたようです。もしかしたら治療不足で、いつでも発作を起こし得る状況だった可能性を考えました。しばらくは継続的治療が必要と判断しました。今回も、薬は飲んではいませんでした。
患者さんは食物アレルギーを持っている訳ですが、今回の呼吸器症状が誤食により起きているものならば、エピペンを処方してはいませんが、エピペンの適応だったかなと思いますし、救急車を要請してもよかったと思います。
せっかく園長が来てくれたので、そういう話もしました。実際はぜんそく発作で、酸素濃度もさして低下していなかったので、親御さんが車で連れてくるという形でもよかったのではないかと考えています。
症状が起きる前に、園関係者に緊急受診の適応を説明し、キチンと理解して頂くことは大変ですが、食物アレルギーでこれくらいの呼吸器症状が出れば、救急車で受診して下さいと説明できたのはよかったと思っています。
ぜんそくの方も、熱が続き、呼吸困難が悪化すれば入院治療も必要になるかもしれませんが、何とか知識と技術をフル活用し、入院を避けるべく頑張ろうと思っています。


