小児科 すこやかアレルギークリニック

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両極端
2014年09月08日 更新

先週末の全国学会が終わって、だいぶ楽になりました。

というか、落差あり過ぎー。日曜なんて、子どもを連れて、流れるプールに行ってきました。

2週間前にも新潟市内のプールに行きましたが、「夏らしいことをさせてあげたい」一心で時間的余裕がないのに、行ってしまいました。今回は、気楽なものです(笑)。

近間で済まそうと市内のプールに行ったら、温泉のみと言われました。8月一杯の営業のようです。

今はいい時代で、iPhoneでやっているところを検索し、隣街である柏崎市内のプールが営業していることが判明したため、そこに行ってきました。夏休みも終わり、そう混雑しておらず、結構楽しめました。

いつも、ぜんそくやアトピー性皮膚炎が誤診され、過小治療で良くならずに困り果てて受診される患者さんが後を断たないという話をしています。患者さんは医師を信用して通っているものの、医師が自分が間違っていることに気付かず、患者さんに大きな迷惑を掛けているということが日常茶飯事として行なわれている訳です。

これには相当手を焼いています。患者さんが良くならなければ、「自分の診断や治療が間違っているのではないか?」と医師が悩むことなのですが、患者さんの方が「医者を代えてみよう」と思われて、当院に辿り着く格好です。これでは、医師が自分の誤診に気付かず、同じ過ちを繰り返すという負のスパイラルがそこかしこで継続されているようです。

今回は、ある意味、逆のケース。キプレスとパルミコートが使われていた患者さんが、当院に相談に来られました。

分かる方ならお分かりでしょうが、ぜんそくが重い時に使う治療薬を使われていました。ところが、ぜんそくとすら診断されていませんでした。

実は、こういうケースは時々みます。ぜんそくが見逃されている、“過小”に扱われているケースではなく、今回は“過剰”の治療されているようです。

私ならキプレスなどの軽い治療薬で良くならないことを確認した上でないと、パルミコートという強めの吸入薬は使用していません。キプレスはいい薬ですが、それでも効かなければ治療を一段あげるというスタイルが基本だと思います。

前医には申し訳ないのですが、「果たしてパルミコートの治療まで必要だろうか?」と思わずにはいられませんでした。今回は“過剰”対応のケースですが、“過小”のケースは当院では極めて頻繁に見るし、患者さんが相談に来られています。こんな“両極端”ではなく、その間により良い治療があるのだと思います。

ぜんそくのガイドラインをよく理解していれば、こうはならないと思われます。ぜんそくという病気、ガイドラインに対する理解度が不足しているからこういう事態に陥るのだと考えています。

これは食物アレルギーにも残念ながら当てはまります。アレルギー検査が陽性だと、「除去しなさい」と言われることも多く、大した根拠もなく「2歳まで除去しなさい」と言われるケースもあるようです。これは“過剰”な対応に当たります。

一方、最近は「食べて治す」なんて対応が話題になっているので、それを知っていると「家で少しずつ食べさせてみなさい」なんて言ってしまうのです。

伊達にアレルギー検査が陽性になっていないので、リスクを顧みず「食べなさい」という指導は“過小”に当たると言えるでしょう。アナフィラキシーのリスクが軽んじられているのだと思います。

仮にアナフィラキシーを起こしても、家で親が食べさせているので、親の責任になってしまうところが、悲しいところです。実際、学校側が負荷試験の存在を知っていて、主治医から食べられるかどうか判断してもらって下さいと言われ、そう主治医に相談したところ、「家で食べさせてみなさい」と指示され、アナフィラキシーを起こしたケースも聞いています。

日本の第一人者の先生は、「どこまで食べられるかを決めるのは、医師の仕事」とおっしゃっています。アレルギー検査が陽性で、何らかのアレルギー症状が誘発されるリスクがあるのなら、負荷試験を勧めるべきなのです。

「食べさせて」と言われて、すんなり食べさせてみる親御さんもいます。でも、不安で不安で仕方なく、食べさせられない親御さんもいます。にもかかわらず、家で食べることを“強要”する小児科医もいて、困っています。当院が負荷試験をやっているのを知っていてこうなのですから、以前触れた良心のレベルに問題がありそうです。

患者さんは、要は“素人”だから“プロ”である医師にお金を払って健康の相談をしているのであって、“プロ”は“プロ”らしく学会が示すガイドラインに沿った指導をすべきなのに、中途半端な知識で“両極端”な指導をしている医師も存在するというのが現実です。

冷たい言い方なってしまうかもしれませんが、お子さんを守るには、医師の言うことを鵜呑みにせずに、ある程度のことは調べるという能動的な行動も必要であろうと思っています。