今朝、ネットニュースをみていたら、御岳山の年内の捜索を打ち切ると書いてありました。
まだ行方不明者が7人もいらっしゃうそうで、最初は「えっ!?」と思いましたが、雪や深い火山灰の中を懸命に捜索する警察官の姿はテレビで目の当たりにしているので、ご家族の方々には申し訳ないのですが、やむを得ないんだなと感じました。
厳しい環境で、一生懸命やっているのは十分伝わっています。私と同じように感じて頂ける方も多いのではと思っています。
一生懸命やっていることが伝わっていなければ、そう感じない人達も増えるのではと思っています。医療も一緒なのかなと思っています。
先日、50キロ以上離れた某市から患者さんが初めて当院を受診されました。食物アレルギーの相談でした。
診察時、かなり咳き込んでいて、ぜんそくと診断され、治療は行なわれていました。食物アレルギーの相談でしたが、お節介の虫がうずき、ぜんそくの話から伺いました。
既に何度も入退院を繰り返しているようです。処方を見ると、パルミコートという吸入ステロイド薬も使われています。これは私も重いぜんそく患者さんに処方しています。しかし、よくよく聞いてみると、1年くらい前から処方されており、その前は使われていませんでした。
処方されてから入院はしなくなっているようですが、「ちょっと後手に回っているな」と感じました。そして、受診時にかなり咳はしており、現在の治療が適切かどうか評価する必要があるという話はしました。
例によって例の如くではないですが、アトピー性皮膚炎が見逃されていました。ただ、乳児期のアトピー性皮膚炎は改善傾向にありました。で、問題の食物アレルギーですが、卵も乳も完全除去されていました。
最近のお母さんは、いろいろ調べます。食物負荷試験があることを知り、かかりつけ医に食物負荷試験の話をしたそうです。
そうしたら、「やったことないけど、やってみますか~?」なんて言われたそうです。それでドン引きし、またネットで検索し、当院の存在を知り、受診されたそうです。
この患者さん、以前アナフィラキシーを起こしており、当時通っていた病院で検査をして卵とミルクが陽性だったそうです。私ならその時のアナフィラキシーの原因が卵なのか牛乳なのかを明らかにしようとすると思うのですが、病院の医師から「卵と牛乳の完全除去」を指示されていました。
それ以来、完全除去を続けており、アナフィラキシーのエピソードから数年経っていますが、不用意に食べさせるとまたアナフィラキシーを起こすかもしれません。こういう患者さんは“素人”が「やってみますか~?」なんて軽いノリで負荷試験なんてすべきではないと思っています。
しかも「やったことないけど」というのは、正直と言うべきなのか、患者さんを不安に陥れると言うべきなのか?。もっと言い方はあると思うし、そもそもこのケースは専門医に紹介すべきだと思うのですが、そういう頭はなかったのでしょうか?。しかも、病院ではなく、開業医が自分のクリニックでやろうということでした。「オレだってそれくらいできる」と言わんばかりです。
ほぼ全てにおいて不安要素が大きく、親御さんは逃げて正解だったと思っています。私は専門病院で負荷試験のやり方を教えてもらい、勤務医時代に自分でやってみて、やり慣れてきた状態で開業しています。急変した際、入院加療できない外来で、用意周到にやっているつもりです。
負荷試験を“隠蔽”する医師が多い中、負荷試験を軽んじている医師もいるものだと思い知らされました。本人はそうは思っていないかもしれませんが、私は十分そう感じています。
医療は、一生懸命やるべきものです。全力を尽くし、自分よりも上手にできる人が近くにいれば、紹介して患者さんにより安全で、適確にやってもらうこともためらわないというのが、本来の姿だと思います。
アナフィラキシーを起こすかもしれず、それに対し責任を取る覚悟の医師が負荷試験をやるべきと考えており、それがなければ速やかに専門医に紹介すべきであろうと思っています。


