小児科 すこやかアレルギークリニック

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木を見て森を…
2015年05月02日 更新

医院に金魚とカブトムシを置いてから、子ども達、いやおとな達までも興味を持って頂き、喜ばしいことだと思っています。

それに気をよくして、今度は玄関のところに睡蓮鉢を置き、メダカを入れようかと考えています。昨日は、仕事が終わったら睡蓮鉢を買いに行こうと思いましたが、行けませんでした。

行こうと思っていたホームセンターは7時半までで、診療が終わったのが7時半を過ぎていたからです。昨日は、それだけ忙しかったのです。

食物負荷試験のほか、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの運動負荷もありましたし、他院で良くならないと困り果てた患者さんも何人か受診がありました。いつも患者さんが逃げてくるという格好なので、医師は自分の手に負えなければ紹介してくれればいいのに、と思います。もっと患者さんの側に立つべきだと思うのですが、現実は厳しいですね。

昨日、逃げたこられた患者さんは1人は小児科から、1人は耳鼻科からでした。いずれもアレルギーではありませんでしたが、これは“良い傾向”だと思います。何故なら、当院は咳や感染症にも力を入れており、まともな医療をやっているつもりだからです。

前の方の患者さんは、こうでした。咳と熱が続き、小児科でCRPを調べてもらっていました。数日前に書いた炎症反応ってやつですね。これを何度か調べていて、5くらいあったものが、4、3と下がってきているように見えます。メイアクトやフロモックスという抗生剤が使われているようです。

前医によれば、CRPが下がっているから改善傾向だということですが、患者さんは不安になり、当院を初めて受診された訳です。何故なら、熱が下がらないから。極端なことを言えば、数値が下がってきても、症状か改善しなければ、患者さんにはメリットはないと言えるのかもしれません。

気になったのは、診断の方です。痰がらみの咳が一向に良くならないのです。しかも、熱が何日も続いています。素人だって肺炎を心配しますよね?。ちょっと驚いたのですが、にもかかわらず“風邪”だと言われていたようです。

急いで胸のレントゲンを撮りました。幸い、明らかな肺炎像は認めませんでした。もちろん、その前に念入りに聴診はしましたよ。異常な音は聞こえませんでした。

となると、肺炎ではなく、気管支炎という診断になると思います。CRPが高いと細菌感染、低いとウィルス感染を考えますが、そう簡単なものではなく、今どき熱が続く呼吸器感染症となると、ヒトメタニューモウィルスやマイコプラズマも考えなければなりません。

ヒトメタは検査費用が医院の持ち出しになるため、調べたがらない医師が多いですが、こういう場合は、親御さんが知りたいばかりか、私も知りたいのです。もはや検査費用の問題ではないと思っています。

調べてみましたが、陰性でした。最近、マイコプラズマは当院では見かけていませんが、年長児で最も頻度の高い呼吸器感染症です。これも調べましたが陰性でした。他にもクラミジアとか可能性はありますが、申し訳ないことに昨日の時点では、診断を特定できませんでした。

マイコプラズマは陰性でしたが、似た系統の呼吸器感染症なら、前医で出ていたメイアクトなどは無効です。その可能性が高いということで、別系統の抗生剤を処方することにしました。

抗生剤は、医師によってクセのようなものがあり、メイアクト系の薬を出したがる医師もいますが、呼吸器感染症なら私は違う抗生剤を処方しています。数値は下がってきているように見えるものの、症状の改善が思わしくないため、治療は変えさせて頂くことにしました。

確かに我々医師は、CRPをみて、病気の勢いが増しているのか、弱っているのか指標にしますが、ちょっと今回は「木を見て森を見ず」だったのかなと思っています。私もこういう経験をもとに、「人の振り見てわが振り直せ」の態度でやっていこうと思っています。