小児科 すこやかアレルギークリニック

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スプレー負荷
2015年06月26日 更新

「地元の患者は自分が守る」という気持ちを持っています。

新潟県の患者さんはなるべく新潟県内の小児科医が対応すべきだし、上越地方でアレルギーなら私が何とかしないといけないと思っています。

先日、「!?」って感じの患者さんが受診されました。以前、虫除けスプレーをした1、2時間後に蕁麻疹と呼吸苦が見られたのだそうです。何と3回使って、3回起きたとか。これはよく分からないけれど、因果関係がありそうです。

ちなみに昨日の話じゃないですが、かかった病院では蕁麻疹と呼吸苦の治療をしたのみで、原因を精査することがなかったそうです。これだけ繰り返して、精査しないとは医師としてどうなんだろうと思ってしまいます。

食べ物は関係なさそうだし、他にもスプレー以外これと言ったものはありませんでした。また、最後のエピソードからしばらく経っているため、半信半疑ながら「スプレー負荷」をやろうと言うことになりました。

実は、スプレーは3回使い、3回とも違う製品だったそうです。「こりゃ、違うな」とちょっと思いましたが、やってみて、その上で考えないといけません。

スプレーは蚊に刺されないようにと、親御さんがかけまくったそうで、今回も同様にスプレーし、いつも起きていた1、2時間後にどうなるかを観察しました。

1時間くらいして細かい蕁麻疹が出始めました。正直「うっそー」と思いましたが、ポツポツと増えてきます。2時間くらいして軽く咳も出始めました。現実に症状が起きてきており、「何でだっ」と内心焦ってしまいました(汗)。

その時、スタッフがスプレー缶裏の製品の説明の記載に気付きました。皮膚症状などが出てきた場合、医療機関を受診し、本剤にエタノールとディートが含まれることを医師に伝えて下さいと書いてありました。

「ディートって何だ」ってことになりますよね?。虫除け成分だそうで、一般的には人体には無害と言われているそうですが、ネットで調べてみるとアナフィラキシーの報告もあるようです。ヤフー知恵袋でも、うちの子がアナフィラキシーを起こしたが、原因として虫除けスプレーは考えられないかという切実な質問も出ていました。

隣の薬局に調べてもらうと、中でも皮膚症状の報告が多く、呼吸苦までの症状は何年か前に1件報告があるようで、極めて珍しいケースのようです。ちなみに、ネットの相談で、「かかりつけ医からスプレーが原因なんて考えられない」と怒られたケースも書いてあいました。これはちょっと仕方なさそうです。

ディートという薬剤を入手して精査を行いたいと思いましたが、メーカーからは断られてしまいました。あとは、知り合いの大学教授の先生に精査をお願いできないか相談しようと思っています。

先日、もやしの負荷試験で陽性だったお子さんについて触れたと思いますが、2年前の医学書にもやしの報告は4件しかないと書かれていました。最近は、かなり珍しいケースが続くようです。

ただ、誰かがこうやって情報発信しないと、埋もれている患者さんっているはずなんです。先程のように「虫除けスプレーなんて考えられない」と医師から言われれば、「そうなんだ」と思ってしまいます。そこで「原因不明」なんてことになってしまい、患者さんが不安な日々を続けることになってしまうのです。

医師側の問題点も根深いものがあり、今後も指摘していきますが、一応医学的に真面目に診療しているつもりなので、こういったことに関しても様々な情報発信は続けていこうと思っています。