小児科 すこやかアレルギークリニック

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2015年07月27日 更新

当院のこだわっているのは、食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の他に、ぜんそくがあります。

これらの3つの病気のうち、ぜんそくのガイドラインが一番早くから作成され、専門でない医師にも認知が広まっています。私に言わせると、上っ面しか理解していない医師も多いのですが、アトピーや食物アレルギーよりはましのようです。軽症なのに、最重症の治療法が選択されていて、ガッカリすることもあります。

もともとぜんそくを勉強したくて、福岡の専門病院の門を叩いたという経緯があり、ぜんそくの患者さんにも専門的な治療を提供しています。他院でなかなか改善しなかった症状が、「驚くほど調子がいいです」と言って下さる患者さんも多く、やはりガイドラインが本当に普及はしていないのだろうと思っています。

今回の画像は、ぜんそく患者さんに吸入ステロイド薬を使用して治療を開始した場合、ぜんそくの指標がどういう順に改善していくかを表しています。

「FENo」は呼気中の一酸化窒素を表し、ぜんそくの患者さんは数値が高く、正常だと低いとされます。治療すると真っ先に低下してきます。

「症状」とは、そのままの意味で、ぜんそくの症状が徐々に改善していきます。「気流制限」とは、呼吸機能検査を使って調べたりしますが、胸に貯めた空気を一気に機械に接続した筒に吹き込んで測定します。気管支がダメージを受けておらず、狭くなっていなければ、ぜんそくのない子と同様な結果になるはずで、ぜんそくのない子との比較では100%という結果になりますが、気管支が荒れて、狭くなっている状態では、80%や60%という結果の患者さんがいます。気流制限が存在すると判断します。症状の次に「気流制限」が改善していくとされます。

最後までなかなか良くならないのが「気道過敏性」です。読んで字のごとく、気管支が敏感な状態で、ちょっとした刺激でぜんそく発作が引き起こされてしまいます。

ぜんそく発作を繰り返せば、症状も出やすくなり、気流制限も気道過敏性も悪化していきます。ですから、発作を繰り返さないように全力を尽くすのが、医師の役割だと考えています。一番厄介なのは、改善がにぶい、気道過敏性と言えるのだろうと思っています。

土曜の午後に気道過敏性試験を行いました。当院でぜんそく治療を受けてきたお子さんが、症状も落ち着いていて、吸入ステロイド薬も中止することができました。そろそろ治療自体をやめられないかと考え、気道過敏性試験を行うことにしたのです。

やり方は面倒なので、全国的に多くの医師が行っておらず、専門病院だけで行われているような検査です。私の学んだ福岡の専門病院もやっていたため、開業した今もこだわってやっています。いつも食物負荷試験のことを指摘していますが、気道過敏性試験は全国的にも、それ以上に実施されていない検査だと思っています。

簡単に触れておくと、ぜんそく発作を誘発しやすい薬を10種類の濃度で作り、薄い順から吸入していき、その都度呼吸機能検査を行います。最初の値の8割をキープできれば合格と判断しています。

土曜にやった患者さんは、合格するものと思っていたのですが、予想外にも途中で軽い発作を起こしてしまいました。合格ではなかったということです。

この患者さんの場合、症状は数年落ち着いており、気流制限も認めませんでした。結果として気道過敏性のみ改善していない状況であると考えられます。

ぜんそくは開業医も含め、多くの小児科医が診ていると思いますが、そのほとんどは気流制限や気道過敏性は調べておらず、症状だけで治療を止めている状況です。この図や今回のエピソードから、ぜんそく治療の難しさがお分かり頂けると思っています。

小児科医の役目は、小児ぜんそくに関して言えば、病気を子どものうちに治してしまい、大人まで持ち越させないようにすることです。そのためには、せっかく治療を続けるのならば、専門医のもとで行うべきだと思っています。

いつの間にか子ども達は夏休みに突入していますが、ぜんそくでお困りの患者さんは、一度専門医のもとを受診されてみてはいかがでしょうか?。