昨日は、母の執念でお子さんのかぶれの原因を解き明かした話をしました。
昨日も、100キロ以上離れた街にある園に講演に行ってきました。「なんでそんな遠くに」とお思いかもしれませんが、そこに通うお子さんの主治医だからです。
高速を運転して実際に行ってみると、結構遠いです。でもそんな道のりを受診のために通ってくださっているのです。母の執念に頭が下がります。
食物アレルギーの問題点の一つに、原因究明をしようとしないドクターが多いことが挙げられます。血液検査が陽性のものを除去していれば、あれもこれも食べられないことになってしまいます。
しかも、最近は「食べられる範囲までは食べることができる」ということになっており、例えば卵アレルギーなら卵の含有量の少ない加工品を食べて何も起きなければ、食べてもいいという意味です。
アレルギー検査の数値が高くても結構食べられたりする訳ですが、当院はそれを負荷試験で確認しています。安全性を確認し、ご自宅でも安心して食べてもらおうという考えからです。
いつも言っている通り、全国的に負荷試験がなかなか広まらず、そういうことがなされていない患者さんが多く、かかりつけ医から良心的な対応がなされていないことを表しているのだろうと思っています。
血液検査に限界があり、参考程度に留めるよう言われていますが、多くの食物アレルギーに関心のない医師が採血で食べる、食べられないの判断をしています。それにもう一つ検査を組み合わせることで、もう少し診断精度を上げられると思っています。それは皮膚テストです。
プリックテストといって、どんな食材も検査できる皮膚テストがあります。先日、ナッツの詰め合わせを食べて、アレルギー症状を起こしたお子さんがいました。クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピーナッツが入っていたようです。
実は慌ててかかった前医でクルミの数値が高いことが分かっており、「クルミかな」と答えは分かっていました。しかし、他のナッツもアレルギー症状は起こしたりします。
より診断精度を上げようと、4種類のナッツを持参していただき、皮膚テストを行ってみました。小針でそれぞれのナッツの表面をこすり、針先に粉をつけた上で、皮膚に針先をちょんと刺すだけです。小傷から入った粉がアレルギー反応を起こすと腫れますし、より大きく腫れれば原因であろうと言えます。
ただ、こんなことを言うと何ですが、腫れても原因でないことがあります。最終的には負荷試験で白黒をつけないといけないのです。
今回のナッツ類の検査結果は、クルミだけ大きく腫れ、他は腫れませんでした。血液検査と組み合わせれば、より真実に近づくことができると思っています。にもかかわらず、皮膚テストは専門医でこだわっている医師が行っているのみです。
簡単な検査なので、食物アレルギーを診る小児科医のすべてができればいいと思うのですが、やる気がないというか、やろうとは思わないようです。この辺りが理解できないのです。
医師が言わなければ、そんな検査があると患者さんは知る由もない訳ですが、今回のようにナッツの詰め合わせを食べて、なんてことは意外とありそうで、皮膚テストはもっと広がるべき検査でしょう。


