小児科 すこやかアレルギークリニック

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むごい病気
2015年11月06日 更新

つい先日、キウイを食べてアレルギー症状を起こしたお子さんの話をしました。

詳細は書きませんでしたが、キウイなどを食べて、口腔内の症状のほか、強い腹痛があり、食べて風呂に入った影響もあり、はって風呂から出てきたそうです。

血圧も下がっていたのでしょう。危険な状態でした。この患者さんにエピペンをすでに処方してありました。エビによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こしていたからです。

こういう時に使ってもらいたいと思ったのですが、想定外の食品で起こしたため、エピペンを打とうとは思いつかなかったようです。仕方ないといえば、仕方ない。なぜなら、キウイは好きで日頃からよく食べていたから…。

キウイは、アナフィラキシーショックを起こし得る果物として知られているため、今回の原因は「キウイじゃないか?」と考えるのは当然かと思います。しかし、血液検査も皮膚テストもいずれも陰性でした。しかも、大好物で、よく食べています。

自宅で強いアレルギー症状を起こしたため、原因探しをしないといけません。アナフィラキシーショックを起こした場合、負荷試験はやらないことになっていますが、原因をハッキリ特定してあげなければならないと考えました。

こういう状況だったため、先日キウイを持ってきていただき、負荷試験に挑戦しました。

最初はほんの少量から行きます。喉の違和感などを訴えますが、明らかな症状はないため、徐々に増量していきます。

食べさせていく中で、咳が出始め、腹痛も見られてきました。実はこの患者さん、過呼吸症候群を併発してしまいました。はやい呼吸と手足のしびれが上乗せされてより一層、具合悪く見えますが、冷静に判断しないといけません。

強い腹痛は、エピペンの適応です。ということで、アドレナリンの注射と点滴を行いました。

キウイは普段からよく食べていたものの、原因と特定していいだろうと思っています。こんなこともあるのですね。やはり、食物アレルギーは怖いです。

ちなみに、食べたキウイは最近スーパーなどで出回っている新種のタイプのようです。ただ、これがアナフィラキシーを起こしやすいという情報はまだありません。

今回、患者さんもアナフィラキシーを覚悟で負荷試験に臨んだ訳ですが、理由がありました。もうじきホームステイのため、海外に行くからです。本人も楽しみにしており、かといって海外でアナフィラキシーショックを起こしては、困ります。

そういうこともあり、急ぎ気味で負荷試験となりました。普段食べていたとはいえ、今後は食べていけないことが分かり、それはそれで良かったのかなと思っています。

ただ、本人はショックを受けています。大好物であるキウイを食べられないことが分かったから。食物アレルギーは、怖くてむごい病気であると思いました。