小児科 すこやかアレルギークリニック

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FDEIA
2015年12月21日 更新

FDEIAとは、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの略です。

当院でも、牛乳アレルギーの小学1年生が、脱脂粉乳入りのパンを食べて、運動してアナフィラキシーを起こしたケースを経験しています。この子は食べても運動しなければ、アレルギー症状は誘発されませんので、運動がアナフィラキシーを誘発したと考えています。

このケースを、FDEIAと呼んでいいかと言えば、そうではないようです。これは運動という悪化要因で悪化しているだけで、年長児が小麦や甲殻類を食べて、運動していきなり発症したものをFDEIAと呼ぶようです。

当院は、土曜日は結構混雑します。それは土曜が学校が休みのため、市外から受診される患者さんが多いからです。この前の土曜日も例外ではありませんでした。

そんな中、当院を車で緊急受診された患者さんがいました。高校生ですが、部活の練習中に体に蕁麻疹が広がってきたそうです。

以前も食後にアレルギー症状が出ており、FDEIAを疑い、エピペンも処方していましたが、申し訳ないことに原因は特定できていませんでした。今回も朝食後に、部活で練習を始めてまもなく蕁麻疹が広がってきたため、部活のコーチが緊急で当院まで連れてきて下さったそうです。

今回は、皮膚症状のみで呼吸苦やぐったりなどのアナフィラキシー症状は出ておらず、患者さんも冷静に処方してあった内服薬を飲んできていました。診察上、体の広範囲に蕁麻疹が広がっていましたが、幸いなことに緊迫した状況ではないと考えました。既に内服もしてあったので、少し経過をみさせていただこうと思いました。

原因は、まだ分かりませんが、もしかしたら果物かもしれません。ある果物を食べると、軽い腹痛があるようです。運動することで、輪をかけて症状が強まった可能性はあると考えています。とりあえず、血液検査はやろうと思いましたが、皮膚テストは既に内服薬を飲んでしまったいるので、影響を懸念して次回に行うことにしました。

親御さんも、原因を知りたいという気持ちもあるようで、精査をする必要があるかもしれません。アナフィラキシーを起こさせたくはないけれど、原因が分かることで、今後の対応がだいぶ楽になります。

その日は、もう一人FDEIAの疑いのある患者さんが受診されています。この方も申し訳ないことに、原因をまだ特定できていません。数日前に学校でアレルギー症状を起こし、救急車でお住いの近くの総合病院に搬送されてます。養護の先生もしっかり勉強されている方なのですが、エピペンの適応はないと判断され、内服薬のみ服用されていました。その判断は正しいようです。

私が主治医ということで、情報提供書を持って持参されています。この患者さんも、できれば原因を特定したいと考えています。症状を繰り返すことで、その都度ヒントが得られることが多いと思います。もしかしたら、このお子さんも果物が原因かもしれないと考えています。

FDEIAって、以前はかなり稀な病気と言われていましたが、食物アレルギーの研修を受ける学校関係者が増え、病気の認知度が上がっているせいだと思いますが、意外と少なくないなと思っています。学校でいきなり初発することもあるため、しかも突然アナフィラキシーで発症することもあり、要注意なアレルギー疾患と言えると思っています。

今回の二人のように、恥ずかしながら原因はいずれも特定できていませんが、運動負荷試験までやる覚悟はあり、できれば自らの手で原因究明したいと思っています。

中には、「たまたま蕁麻疹が出ただけ」なんて気休め的なことを言われている患者さんもいるのでは?と思っており、キチンと病名をつけられ、周囲の大人が対応を学んでいた方が、そうでない場合に比べ格段に“守られている”ことになると思っています。

病気の認知度が更に高まり、専門医の元にたどり着ける患者さんが増えることを願っています。