小児科 すこやかアレルギークリニック

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性悪説
2016年01月26日 更新

昨日、インフルエンザの診療について述べました。

インフルエンザにかかったかなと思うと、経験のある方はお分かりでしょうが、鼻の奥に細長い綿棒を入れられ(これがまた痛い!!)、迅速キットでインフルエンザかどうかを調べます。

インフルエンザと診断されたら、今は治療薬があります。私が小児科医になった20年以上前は、診断も治療も大雑把なものでした。周りにインフルエンザの流行があり、高熱、感冒症状、関節痛などで「インフルエンザでしょう」なんて感じで診断を下していました。

治療は、タミフルなどはなかったため、「熱は5日ぐらい続きますからね。なんとか乗り切ってください。」なんて他力本願なことを言っていました。それからすると、いかにインフルエンザの診療が進歩したかが分かります。

10代は異常行動の兼ね合いでタミフルが使えないため、リレンザやイナビルといった吸入薬を使いますが、9歳以下であれば、吸入も上手にできないことが多いため、タミフルを使用します。

このタミフルも体重当たりで投与量が決められています。たとえば体重が10kgならタミフルドライシロップが1.3g、20kgなら2.6gという感じです。私は計算式に基づき、電卓を叩き、投与量を求めていますが、休日診療所の診察室には、1kg刻みの体重に合わせた処方量が明記されていて、患者さんの体重の隣の投与量を処方箋に書き込めばいいことになっています。

今の時代、多くの親御さんが、お子さんがインフルエンザにかかったかなと思えば、インフルエンザの検査をして、陽性であればタミフルをもらって帰ることに慣れてしまっています。逆にそうされないと、例えば鼻水をとって検査しなかったとか、インフルエンザと言われたにもかかわらず、タミフルをもらえなかったりすると不安になることでしょう。

つまり、これらの一連の流れは、パターン化しており、多くの患者さんが理解されていることです。ここで一つ気付いていただきたいことがあります。この“パターン”に医師としての技術も知識も必要ないのです。

つまり、診断も検査キット任せ、治療も小児であれば、点滴の治療薬もあるにはありますが、小児の場合、タミフルの一種類のみです。体重に見合ったタミフルを処方すればいいだけです。極端な話、医師免許がなくてもインフルエンザの診療は可能です。もちろん、医師にだけ許された特権ですから、検査も処方も医療機関でしか行えませんが…。

何が言いたいかというと、インフルエンザの診療は、このようにオートメーション化されているため、それでようやくどこの医療機関を受診しても同じレベルの診療が受けられるということです。

一方、私がいつも指摘しているようにアレルギーに関して言えば、ぜんそくもアトピー性皮膚炎も、専門医と非専門医では診断や治療が大きく異なります。食物アレルギーも食べろと言ったり、食べるなと言ったり、真逆の指導が繰り広げられています。

さすがに医師としての知識や技術が欠かせませんが、こうなると医師の見解が異なってしまうのです。インフルエンザのように画一化された診療が行える疾患に関してのみ、医療レベルはほぼ均一で、それ以外は大きな差が生じてしまっていることが分かります。

日本の保険診療は、各医師が研鑽を積んで誰が診ても同等なレベルの医療を受けられることになっていますが、インフルエンザを代表とした一部の疾患のみで有効であり、それ以外は医師のある意味、やりたい放題となっていると言えます。

誤診をされたり、効かない薬が処方されても、とにかく医師のともに収入が入るようにできています。患者さんが当院に鞍替えされても、前医は自分が治した気になり、同じことを繰り返していることに、患者さんたちは立ち上がるべきだと思っています。

日本の診療制度は「性善説」をもとにできているようですが、「性悪説」に基づき改変すべきだと思っています。