小児科 すこやかアレルギークリニック

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2016年02月09日 更新

アレルギーにこだわって診療しているため、いろんなケースを経験させていただいています。

つい先日、鶏卵は食べられるんだけれど、ウズラの卵で嘔吐を繰り返す患者さんのことに触れました。一般的に鶏卵アレルギーがあれば、ウズラの卵と共通点が多いので、ウズラの卵を除去した方が無難と指導されると思います。

要するに、ソックリ度が高いとうことなのですが、その差に反応するという珍しいタイプなのだろうと思っています。

先週、ある患者さんが当院を初めて受診されました。ウズラの卵を食べると吐くという別の患者さんなのですが、かかりつけ医にアレルギー診断書を書いて欲しいとお願いしたところ、いきなり怒られたそうです。面倒臭いことをやれと言われて、機嫌が悪くなったんでしょうね。全く意味がわかりません。

ただ、怒りながらも、当院の名前を挙げてくれて、自分で調べて行くように言われたんだそう。親切なんだか、そうでないのか、よく分かりません。

何度か同じ症状を繰り返していて、再現性もあるということで、診断はまちがいないでしょう。無事に診断書を書くことができました。もちろん、鶏卵の除去は不要です。

昨日受診された患者さんは、とても気の毒でした。もう中学生なのですが、卵をずっと除去していました。甲殻類、軟体類も食べていませんでした。卵については、昨年のアレルギー検査で卵白がクラス4だったようです。

地元の医者から「除去、除去」と言われて、何の疑いも持たず除去してきたそうです。負荷試験の存在も知ってはいましたが、東京や新潟に行かないと受けられないと思っていたそうです。いやいや、新潟県で当院が他に先駆けて負荷試験を始めています!。

母がネットで検索したら当院が出てきたそうで、あわてて受診されたそうです。当院からそんなに離れていないため、そこの医師は当院が負荷試験をやっていることを知っていて、「除去、除去」と言い続けていたため、食物アレルギーに興味のない医者って、「少しでも食べさせてあげたい」って気持ちが全くないんだなと思ってしまいます。

10年以上も卵を除去していると、いざ負荷試験をしようとしても、全く口にしてくれないなんてこともありますが、逆に中学生くらいになると、怖いもの知らずというか、少し前に卵クッキーを2枚食べて何ともなかったそうです。

これは手間が省けました。もしかしたら、カステラなどが食べられるかもしれません。エビ、カニ、イカ、タコは除去していましたが、貝類は食べていたそうです。これらも負荷試験が必要ですが、経験上、どれも除去が必要という訳ではないのだろうという印象を持っています。

連れてこられたのは、祖母でしたが、かかりつけ医に裏切られた感じはあると正直におっしゃっていました。まあ、医療なんてこんなものです。

すべての医師が勉強していて、患者さんのために努力を惜しまないのなら、どの医師も同じことを言ったり、やったりするはずです。自分ができなければ、できる医師に紹介するという“当たり前”のことができない医者が増えています。これも医者のモラルの低下を表しているのだろうと思っています。

当院の受診のパターンを見ると、園や学校の勧めが多いですが、意外とママ友の勧め、いわゆる口コミってやつもありますね。正直に真面目にやっていると、口コミって大きな武器になると実感しています。有り難いことです。

しかし、中学生くらいになると、さすがに口コミって効かないのかなと思っています。この年代では食物アレルギーはほぼ治ってしまっていることが多く、食物アレルギーで困っている同年代の子はとても少なくなっています。

今回は、ネットで調べて受診してくださったのですが、さすがネット社会だけあって、こういう形態で受診される方もいらっしゃいます。ただ、当院は、利益を追求するような診療はしたくなく、えげつない宣伝活動もしようとは思いません。

口コミで、それなりの多くの患者さんの役に立つべく努力してきたつもりですが、口コミだけではいかんともし難い年代もあることが分かりました。

多くはないでしょうが、どうしたらこういう年代の子ども達を救えるのだろう、そんなことを考えつつ、日々の診療に取り組んでいきたいと思っています。