小児科 すこやかアレルギークリニック

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食後2時間
2016年05月12日 更新

昨日も100キロ以上離れた街で食物アレルギーの講演がありました。

今回は、園の先生が対象だったため、上の年代から増えてくる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの話は時間の関係でしませんでした。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、特定の食品を食べて運動するとそれがきっかけになってアナフィラキシーを起こす病気で、当院でも何人も診ています。原因は、6割は小麦、3割は甲殻類とされます。

食べて運動すると症状が出るので、食べたら運動しない、もしくは食べずに運動するという対応をとることで防いでいくことになります。

でっ、食物依存性運動誘発アナフィラキシーですが、原因の特定が難しいことがあります。原因がわからなければ、運動しないという発想になります。原因を特定できて初めて、それを食べないようにすれば、自由に運動してもいいと言えるのです。

先日、関西圏のある親御さんからメールをいただきました。小学校低学年のお子さんが、給食を食べたあと、激しく運動した際にじんましんと呼吸困難がみられたそうです。しかも、2回。かかりつけ医に相談し、その県のアレルギーの著名な先生に紹介され診てもらいましたが、「食後2時間は運動しないように」という指導を受けました。

騒ぎたい盛りのお子さんを、2時間も運動させない、しかもいつまでという目安もないため、親として何とかしたいという気持ちが、遠方の当院までメールさせたたのでしょう。

私自身も、県内でそう指導されている食物依存性運動誘発アナフィラキシー疑いの患者さんに遭遇したことがあります。ただ、この指導はアレルギー専門医として、小児科医として絶対にしたくないという思いがあります。そういう指導をしている医師に対し、「あなたのお子さんにも同じ指導ができますか?」と言ってやりたいくらいです。

確かに、原因が特定しにくいこともあります。運動負荷試験といって、原因と思われる食品を食べて、運動させて、アナフィラキシーを起こすかどうか調べる検査をしても、症状が出ないことがあります。食べ物が関係しない、運動誘発アナフィラキシーという病気もあります。

こういった病態は、専門医でも迷うところではありますが、専門医の知り合いに聞いてみると、食後2時間は運動しないという指導はしていないそうです。何かあれば責任を取る覚悟で、そういう指導を避けているのです。

当院でも「食後2時間は運動しないように」と指導している患者さんは一人もいません。実際、県内、もしくは国内にこんな指導を受けている患者さんはどれくらいいるのだろうと思ってしまいました。

ちなみに、今回のメールの患者さんは、私の知っている専門医の先生のもとを一度受診することになりました。多分、食後2時間の制限はとかれるものと思います。

困っている方がいれば、一度相談のメールを送ってみていただきたいと思っています。