小児科 すこやかアレルギークリニック

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ひどい治療
2016年07月27日 更新

この場で、よく「ガイドライン」という言葉が出てきます。

医療以外でも様々な分野で用いられているようですが、医療に関して言えば、“病気に関する法律”という感じでしょうか?。

いろんな医者が好き勝手にいろんなことを言えば、例えば、Aという医院でこう言われたのに、Bというクリニックで違うことを言われれば、患者さんはどっちを信用していいか混乱します。

特に医療は、患者さんの健康や命がかかっていますので、そういった“法律”を守ってもらわないと困ります。多分、この世に存在する様々なガイドラインの中で、もっとも守られるべきは、医療に関するガイドラインなのではないでしょうか?。

私が問題視しているのは、医師が驚くほど、ガイドラインを守っていないことにあります。アレルギーなんて、慢性の経過を辿る、すぐには治らない病気ですし、アトピー性皮膚炎なんて、ともすると生まれて間もない赤ちゃんが初めてかかる病気だったりします。

親は困り果てているのに、医者が向き合おうとしないため、平気で“乳児湿疹”なんて診断して、効かない薬を処方しています。一向に良くならないのに、専門家に紹介しようともしない。医者として最悪だと思います。

私が福岡の専門病院で勉強させていただいた時に、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーのガイドラインを作成する側の先生からご指導頂きましたので、教えをいまだに守り、そうすることで患者さんを守りたいと思っています。

ガイドラインも守らず、医院の利益を中心に考え、患者さんに全力を尽くさない医者ををみると、憤りを感じてしまうのは、そのためです。いい加減なことをやって、利益が上がるのは医療の世界くらいではないでしょうか?。もちろん医療懸命やっている先生方もいますが、「腐っている」と思うことも正直、多々あります。

今回は先日、受診されたある小児科医のことに触れたいと思います。

実は他県にお住まいのお子さんで、たまたま実家に戻っている時に、激しい咳が出て、苦しそうだと当院を受診されています。

お薬手帳を見ると、キプレスやフルタイドという私もよく使うようなぜんそく治療薬の名前が並んでいます。「いい医者にかかっているようだな」と感じました。

よくよく聞いてみると、ゼーゼー言ったり、調子の悪い時にサルタノールという気管支拡張薬を吸った直後にフルタイドという吸入ステロイド薬も吸うように指導されていました。

吸入ステロイド薬は、ある程度重症なぜんそく患者さんが、日頃からこの薬を吸入し続けることで、気管支の荒れを抑え、ぜんそく発作を起こさないようにする薬です。確かに、悪い時にだけ吸うという治療がどれだけ効果があるのか、目下そういう研究が進んでいるようですが、ガイドラインには調子が良い悪いにかかわらず、吸入を続けるよう記載されています。

時々専門でない医師がこういう指導をしていることがありますので、特に驚きませんでしたが、今回ばかりは更に驚くことがありました。

ゼーゼーを繰り返している結構重症な患者さんなので、日頃から内服薬を継続しているのかと思っていましたが、なんと発作が起きた時だけ、キプレスという薬を内服しており、同じ効果のプランルカストという薬も一緒に飲まされていました。

同じ効果の薬なので、どちらか一種類で十分だと思うのですが、その医師は発作寺のみ2つ一緒に飲むように指導していたのです。レベルの低い医療はよく目にしていますが、こんな指導を見たのは初めてです。

ぜんそくは、発作を繰り返すと、繰り返すクセをつけてしまうので、そうしないようにまずは内服薬で予防し、それでも抑えきれなければ吸入ステロイド薬を用いることがガイドラインに記されています。苦しくなり、眠れなくなることが予想されるのであれば、それをいい薬で予防するのは当たり前のことです。

予防もまったくされておらず、起こるべくして起きたぜんそく発作の際に、二重に薬を飲まされ、吸入ステロイド薬もその時だけ吸わされていたのです。こんな治療、初めて見ました。

患者さんには、お住まいの街にアレルギー専門医がいないことを示し、隣の街の専門医を受診するよう説明しました。多分、当院はその時の1回だけの受診であろうと思いますが、何だかんだで30分ほど時間を取って説明しました。今後、専門医の適切な治療のもとで、元気に過ごして欲しいと思ったからです。

ビックリするほどの低レベルの治療が行われていたので、これからももっとマシな生活が送れることでしょう。何故なら、ぜんそくのガイドラインさえ守れば、たいていの患者さんは症状が改善するからです。これは私も確認済みです。

多くの患者さんがガイドラインに沿わない変な治療をされていても「ずっと信じていた」とおっしゃいます。いろんな医者がいますが、結局信用できるのは、ガイドラインと患者さんのことを真剣に考える真面目な医師だけなのだろうと思っています。