小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

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2017年02月14日 更新

昨日、牛乳で負荷試験を行いました。

食物アレルギーの講演では、自分の経験したケースを交えてお話しするようにしています。その患者さんは、こんな症状も起き得るということで、講演で使わせていただくこともあります。

この患者さんは幼児ですが、アレルギー検査から卵とミルクが陽性でした。まず卵から負荷試験を行い、今度乳製品の負荷試験をやろうということになっていました。

ある日、レストランで目を離した隙に、ご家族の頼んだカルピスを口にしたらしいという直後に、「喉頭浮腫」というのですが、喉が腫れて、息ができない状態になって、当院に緊急搬送されました。

「油断も隙もあったものではない」という言葉がありますが、まさに今回のケースに使いたい言葉だと思うくらいです。

こんな患者さんでも、除去を続ければ更に牛乳アレルギーが悪化してしまうのではないかと考え、負荷試験をやろうと考えたのです。あまり開業医でやるようなケースではないのかもしれませんが、当院ではやらざるを得ないのです。

また喉頭浮腫なんて起こしてもらったら、困ります。では、ごくごく少量で負荷すれば、いいだろうと考えたのです。

初回は、医院にある細い注射器で0.02mlを口に入れました。口に違和感があったようですが、続いて0.03ml、0.1mlと進めました。

結局、次に0.15ml与えたところで、じんましんと咳が出始め、負荷試験は中止となりました。

この結果を元にして、どうやってわずかでも乳製品を摂っていき、体を慣れさせていくか指導をしました。患者さんはもちろん、私自身も怖いと感じる試験でしたが、何とか患者さんとともに前に進んでいこうと思っています。