小児科医は、子どもを対象にしています。
一方、内科の先生で「内科・小児科」を標榜している先生もいらっしゃいます。子どものすべてが小児科にかかっている訳でなく、内科の先生にお世話になっている子達も多いと思っています。
先日、ある赤ちゃんに発熱などの風邪症状があったために、お母さんが近所の内科の先生の所に連れていったそうです。後日、当院に連れて来た際にその話を聞いて、思わず指導をしていまいました。
小児科医の間では、生後3か月未満の発熱は入院が原則と言われています。それは、赤ちゃんは母親からもらった免疫があるために、風邪は引きにくい状況にあります。それでも熱が出た場合は、風邪のことが多いですが、重症な細菌感染症になっていることも有り得ます。また、熱が続いたりすると体力がないために、いとも簡単に脱水に陥ります。以上のような理由で、赤ちゃんの場合は小児科医が慎重に対応しなければなりません。
内科の先生も、近所だけに断れないでしょうけれど、多分赤ちゃんを連れて来られても内心困っていると思うのです。私も医師免許は持っているものの、高齢の患者さんを診なければならないとすると、正直言って自信がありません。赤ちゃんは、小児科医が診るべきだと思っています。先のお母さんには以上の理由を述べ、理解して頂きました。
その後、調子が悪くなると当院を受診して下さっているのですが、3か月の時に発熱で当院に来られました。
風邪にしては咳も鼻もありません。耳も異常ありません。おしっこに菌が混じっている可能性も考えました。赤ちゃんはいつおしっこをするか分からないので、採尿パックをあてて待たなければなりません。それでも、熱を出さないはずの年代が熱を出した場合には、シロクロを付けなければなりません。
しばらくしておしっこが出て、調べてみたら「尿路感染症」でした。赤ちゃんの尿路感染は、内科の先生は気付かないことが多いと思うので、小児科を受診して下さってよかったと思っています。原則は入院治療なので、病院に紹介しキッチリと治療して頂きました。
親御さんは、赤ちゃんであっても具合が悪くなれば“医者”に連れていけばいいとお思いかもしれません。内科の先生が小児科の分野を全てこなせるのであれば、「小児科医」は必要がなくなってしまいます。医者の中にも役割分担があり、「小児科医」のアイデンティティーがあるのです。
この患者さんだけでなく、近所の内科で乳児湿疹と診断されていましたが、実はアトピー性皮膚炎だった赤ちゃんが当院を受診された際にも役割分担の話をしました。ちょっと内科の先生には荷が重かったのではないかと思っています。なお、今は当院に通院され、皮膚はかなり良くなっています。
これも患者教育の一環だと思いますが、日頃から言っている通り、その道のプロにかかると医療が大幅にレベルアップすることが多いと思います。親御さんは参考にして頂きたいと思っています。


