小児科外来は、いろんな病気のお子さんが来られます。
当院には、アレルギーの患者さんが多いのですが、つまりアトピー性皮膚炎、ぜんそくを持ったお子さんが大勢通院して下さってます。アトピーやぜんそくは成長とともに、症状が軽快していきやすい傾向にあります。ですから、通院している患者さんは乳幼児が多いと言えます。
生まれて間もないお子さんが、アトピーやぜんそくになれば親御さんは心配で心配でどうしようもないことでしょう。だいたい連れて来られるのは、お母さんのことが多いですが、中には相当に心配性な方もいらっしゃいます。
特にアレルギーは、症状を繰り返す慢性的な経過をたどる病気です。親御さんに説明を惜しんではいけません。心配性なお母さんだと、通院のたびに質問攻めにあうこともあります。お母さんの気持ちを考えると、そのたびに私は知っていること全てを提供したいと思い、力が入ります。その結果、説明に時間もかかってしまいます。不安を消し去る努力をするのも小児科医の仕事だと思いますので、時間がかかるのは致し方ないことだと思います。
先日、アレルギーではないのですが、強い嘔吐を繰り返すお子さんが受診されました。ある医療機関で、これまでの繰り返した嘔吐の状況を説明しようとメモを取り出し、病態を解明してもらおうと説明し始めたら、患者さんが多かったからか、虫の居所が悪かったのか知りませんが、逆ギレされ「何が心配なのか分からない」と言われ、取り合ってもらえなかったそうです。
その患者さんは、当院に救いを求めて受診されました。私は消化器が専門という訳ではないですが、こういう状況になると燃えます。自分の知識で何とかしてあげたいと思うからです。繰り返す強い嘔吐は明らかに異常と考えられました。しかし、何がどう起きているのかを精査をする術は当院にはありませんでした。
私は開業医の役目は、軽い病気は速やかに対処し、重ければ、もしくは医院で診断がつかなければ専門医に紹介することだと思います。この患者さんの場合も、消化器の専門医に紹介状を書いて精査して頂く必要がありそうだと考えられました。案の定、異常が見つかり、食後の対処法などいろいろと指導を受けられたそうです。私自身は診断はつけられなかったけれど、お母さんは「紹介して頂いてありがとうございました」と言って下さいました。
今回のケースはたまたまかもしれませんが、親御さんの立場になれば、それだけ症状を繰り返している訳ですから、病気が分かってみて「何で親身になってもらえなかったのか分からない」というお気持ちだろうと思います。私は大したことはしてあげられなかったけれど、信頼はして頂いたようで、それ以来当院に通って下さっています。
これだけ医療が細分化してくると、何でも診ることのできる医師なんていません。やはり小児科医は、親御さんの話をよく聞いて、話の中のSOSを取り上げる必要があります。大したことないと思っても、何かが隠れている可能性もあると思うのです。
医師は、より患者さんの身になって考えることも必要でしょう。精査する手段がなければ、専門医に紹介状を書くべきであろうと思っています。この患者さんは、強い嘔吐を繰り返していました。1~2回のエピソードであれば私も紹介状を書かなかったかもしれません。短期間に4回ほど繰り返していたので、何かあるだろうと考えた次第です。
アレルギーは症状を繰り返す病気です。ぜんそくなら咳が長引き、ゼーゼーいうこともあります。アトピーなら痒い湿疹が治りづらいのが特徴です。地方だと「医者に診せればいい」とお考えの親御さんも多いですが、これからは「専門医に診せなければならない」という考えが普及して欲しいと思っています。親御さんが思っているよりは、大きな技術の差が存在することが多いと思います。ただ、私はもっともっと勉強しなければならないと思っています。患者さんの期待に充分に応えられるよう、努力していきたいと考えています。


