小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

体の向き、姿勢、視線、相づち
2009年02月26日 更新

週末の土曜の28日は院内勉強会があります。

アレルギーは、医師でも誤解がある場合があります。患者さんなら尚更のことです。慢性の病気なので、患者さん自身がその病気に関して正しい知識を持つことが重要なのは言うまでもありません。だから、当院はこだわって、当院かかりつけの患者さんだけでなく、他院に通っている患者さんも含めて、院内勉強会という形で情報発信を行っています。

今回は厚生労働省が出している「食物アレルギーの栄養指導の手引き2008」について解説しようと思っています。これは「食物アレルギーの診療の手引き2008」という一種のガイドラインと一緒に発行されました。「食物アレルギーの診療の手引き」は医師向けの食物アレルギーに関する診断や診療手順を解説しています。栄養に関するより詳しい解説の必要性を勘案し併せて発行されたのだと思っています。

内容としては、栄養士でないと解説が難しい部分もありますが、食物アレルギーの知識の項目は、当院だけでなく「アレルギー科」を名乗るなら当然知っておかなければならないような基本的なことが書かれています。

その中で、ちょっと驚いた記載がありました。食物アレルギーの子を持つお母さんは精神的に疲れていることも多いからでしょうが、「話を聴くときの心構え」について触れられています。

【話しやすい環境作り】のところに「場所と時間の確保、体の向き、姿勢、視線、相づちなど」、【話の聴き方】のところには「これまでの経験、苦労を受け止める」と書かれています。こんなことは敢えて書くほどのことでもないのに…というのが私の正直な感想です。

でも、このことは医師にこそ言えることではないかと思ってしまいます。困っている患者さんには、お母さんの目を見て、時間をかけて話を聞くのは当たり前のことですが、混んでいるからと話を充分に聞いてもらえなかったと当院でボソッとこぼす親御さんもいらっしゃいます。

先日、ぜんそくの患者さんが当院を初診されました。前日は咳がひどくて、ほとんど眠れなかったそうです。鼻炎もあるため、いろんな医療機関を渡り歩いたとお母さんはおっしゃっていました。ぜんそくというハッキリとした診断もなく、症状が持続しているにもかかわらず、症状が少し良くなったら治療を中止されていたそうです。なかなか症状がよくならなかったため、当院を受診されたそうです。

こう言われると、私はめちゃくちゃ燃えます。いつも通り30分以上説明しました。お母さんも初めて聞く話が多かったようです。なぜ、私がそうするのか?。それは、自分が患者の立場なら、自分がやって欲しいと思う医療を行うべきと考えるからです。

重症なぜんそく患者をキチンと治療しないと、大人に持ち越してしまう可能性が高まります。小児ぜんそくは5~6割しか治らないという報告があります。しかし、自分を頼ってくれる患者さんは100%治す気持ちで診療しているつもりです。慢性の病気の場合、そういう心構えが医師として最も重要だと思っています。お子さんの一生に関わりかねない問題です。混んでいるから時間がかけられないというのは、私の中では言い訳にもならないと考えています。

日本の第一人者の先生方も、小児ぜんそくを100%治すことを目標にガイドラインを作成しているとそうです。相当大きな志でぜんそく治療に取り組んでいることが分かります。その点、私自身はまだまだ努力や修行が足りないと思います。自分の勉強をしつつ、その学んだものを日常の診療の中や院内勉強会という形で患者さんに還元したい、そう思っています。