先日受診されたお母さんに、タイトルのような言葉を言われました。
まだ小さな赤ちゃんが下痢を繰り返したということで、ある医療機関で「食物アレルギーかもしれない」と言われたそうです。症状の出る前に特定の食品の入った食物を摂っていたからそう考えられたようです。
再度、胃腸症状が出た時に、別の小児科を受診されたそうです。お母さんは繰り返す下痢に、その先生にも意見を聞きたいと思い相談したそうです。忙しくてイライラされていたのかもしれませんが、お母さんの話では「逆ギレされ、取り合ってもらえなかった」そうです。点滴をして帰されたとおっしゃっていました。
お母さんの目を見れば、どれだけ悩んでいるかはだいたい見当がつきます。当院は困っている患者さんには、時間をかけて相談に乗っているつもりです。待ち合い室に患者さんが多くても、時間をかけるべきと思えば、空気を読んでいます。また、こういう相談は私が専門からかもしれませんが、めちゃくちゃ燃えます(笑)。
私は診察が速い方ではありません。ですから、当院は待ち時間は長い方です。しかし、私を頼って下さる患者さんも少なくないと思っています。診察が早く、待ち時間が短い方が院内感染の確率を減らすことができるでしょう。しかし、待ち時間が長くても、話をよく聞いてくれることを重要視して下さる親御さんも多いと考えています。
冒頭のお母さんには、持てる知識と過去の経験から私の考えを伝えました。アレルギー検査を行われていなかったので、検査もした上で必要なら「食物負荷試験」を行い、シロクロをつけ、お母さんの疑問を晴らそうと思っています。
ここまで私がお話ししたところで、「じっくり話を聞いてくれるだけで、涙が出ます」と心情を吐露して下さいました。
待ち時間を減らすために、てきぱきと診療することは大事なことだと思います。それも企業努力のひとつでしょう。本当の風邪なら何の問題もないでしょうが、下痢や咳、皮膚のかゆみが長引くという症状は、医師にとって大したことのないように思えても、親御さんにとっては心配であり、深刻なものです。こういう患者さんの疑問に答え、時間をかけて説明するのも、私は企業努力だと考えています。私も全ての患者さんにみっちり時間をかけている訳ではありません。各患者さんの要求を見極め、時間をかけるべきはかけるというスタイルがベストであると思っています。
それでも待ち時間が長いと当院を敬遠される患者さんもいらっしゃるでしょう。私自身、スピーディな診療に対する憧れもあります。ただ、患者さんには様々なニーズがあり、求めるものが違います。患者さんは素人なんですから、子どものために些細と思われることでも確認したいものです。虫の居所が悪かったのかもしれませんが、逆ギレはないでしょうね…。
当院で診察していると、かなりの頻度で質問攻めにあいます。それで更に一人当たりに時間がかかってしまいます。この調子ですから、当院の待ち時間は当分短縮されそうにありません(涙)。ただ、この方法で患者さんから信頼を得てきたとの自負もあります。
当然、今よりは待ち時間を減らす努力はするつもりです。しかし、基本はこの自分流のスタイルでこれからも診療を続けていきたいと考えています。


