小児科 すこやかアレルギークリニック

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“不利”な立場
2008年08月18日 更新

お盆に実家に帰ってきました。

久々に県外の親戚と顔を合わせることができました。彼女のご家族が胃腸炎にかかった際の出来事について「こんなことがあったのよ」と話を始めました。

数ヶ月前にご主人と2人の息子さんが、入れ替わり立ち替わり嘔吐と下痢という胃腸症状がみられたそうです。ご主人と弟さんは近医を受診し、内服薬でじきに治ったようですが、兄があいにく土曜の午後に発症してしまい、近所の初めてかかる内科医を受診したそうです。

彼女が違和感を覚えたのは、大した説明もなく座薬を入れられ、弟さんの時はしなかった検査も勧められたそうです。更に、弟さんと大した症状の差はなかったそうですが、点滴をすることになったそうです。その日は言われるがままで点滴が終わって帰ったそうですが、翌日、翌々日、さらにその翌日と3日連続して再受診を勧める電話があったそうです。その繰り返しの電話に不信感を持ったそうです。

ちなみに、彼女は医療関係者ではありません。医学には素人です。ですから、たまたま重症で脱水もあったために点滴が必要だったのかもしれません。この辺は、実際に診察した医師しか分からないのです。あくまで素人の意見ですが、その医院は患者さんの数も少なく、検査や処置が多かったために、経営に走った医療だったのではないかという印象を持ってしまったようです。

例えば、胃腸炎の同じような症状の患者を診ても、医師によって対応は異なります。点滴に頼り過ぎる医師もいれば、しない医師もいます。検査もする人もいれば、ウィルス感染の可能性が高く、検査は異常がないだろうからとしない医師もいます。当然、検査や処置が多ければ、医師の収入は上がります。私もその状況を診ていないので、何とも言えませんが、素人にそう感じさせてしまったことは、医師にも責任はあるのだと思います。

また、繰り返しの電話も、1回くらいなら「うちの子をこんなに心配してくれて」と有難いと思うのでしょうが、3回はやり過ぎです。最後には電話を取ったご主人が、あまりのしつこさに怒ってしまったそうです。

当院かかりつけの患者さんのもとにも、ある医療機関から乳児健診を受けるよう合計4回電話があったそうです。少子化時代に突入し、小児科ではこれからは医療にも「営業」が必要なのでしょうか?。私は健診なり、診療は親御さんが信頼する医師のもとで受けた方がいいし、自由に医療機関を選ぶべきだと思っていますので、こういうやり方はどうかと思っています。

医者にはいろんな人がいますし、拒否でもしなければ、その先生の提供する医療に対し同意が得られたものと判断されてしまうと思います。改めて、患者さんが“不利”な立場であり、医療は不透明というか、医師の“良心”に依存した部分が大きいんだなと再認識しました。別に先の先生の診療を批判するつもりはないのですが、素人が違和感なり、不信感を持ってしまったことは、説明や配慮が足りなかったと言われても仕方ないと思うのです。

同じことをされても、症状が重症でもないのに検査までしてもらった、点滴を早めに打ってもらったと肯定的に考える患者さんもいらっしゃることでしょう。何度も電話をもらって、何と良心的なドクターだろうと思う方もいることでしょう。

「医療」って、いろんな意味で難しいなと考えさせられる会話でした。