小児科 すこやかアレルギークリニック

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2008年07月22日 更新

食物アレルギーの患者さんや親御さんの最も傷つく言葉は「ただの好き嫌いだ」、「食べて慣れさせればよい」、「親が神経質」などだと思います。

1988年に札幌の小学校で、ソバアレルギーの児童に対し、担任がそれを知らずに食べるように指示し、死に至らしめた事件がありました。それ以来、食物アレルギーで死亡するケースがあること、学校給食でも気をつけなければならないことが世に知られるようになってきたと思います。我々小児科医や学校、園関係者はそれを教訓として今後に活かさなければならないのです。

先日、受診されたS市の患者さんは、甲殻類や果物でもアレルギー症状を起こしてしまいます。一般的には卵と乳製品、小麦などがこどもの食物アレルギーの原因として知られていますが、最近はこんなものでもアレルギーの原因となってしまうのです。学校の先生は、医学は素人ですから仕方ないのですが、何とその子にアレルゲンを食べるように言って、症状を出させてしまったそうです。大事に至らずよかったのですが、子供を預かる身としては軽率な行動だったと思います。一歩間違えば犯罪者になるところでした。

この話を聞いて、とても残念に思いました。教訓がまったく活かされていないからです。ただ、この先生だけを責める訳にはいかないと思います。県内には食物アレルギーについてよく知らずに、冒頭の言葉と似たようなことを言っている先生方もいらっしゃるようです。患者さんは好きで病気になっている訳ではなく、周囲の理解不足に基づく軽はずみな発言によってどんなに傷ついているのか考えてみて頂きたいのです。

少しは食物アレルギーのことを知りたくなったのではないでしょうか?。残念ながら、新潟県で食物アレルギーの専門的な医療を提供している小児科はほとんどありません。医者なら、みな詳しいはずだというのは、素人からみれば知っているはずですが、多様化する食物アレルギーに対応できる医師はほとんどいないというのが現状です。かく言う私も、どの小児科の先生よりもこだわって勉強しているつもりですが、もっと習得しなければならないと思っています。

S市の担任の先生には、夏休みでいい機会なので、充分説明するので当院に来て下さるように、親御さんを通してお願いしてみました。距離的には相当離れていますが、子供の命がかかっているのです。是非とも来て頂き、話し合いを持ちたいと思っています。

新潟県は、正直言って学校や園関係者の食物アレルギーに対する意識レベルが高くないと思います。それは医師側にも責任はあると思います。福岡市は、私の恩師などが行政に働きかけてレベルの高い対応をしようと努力しているからです。

私は、こんな新潟県の現状を変えたいと思っています。誰かが働きかけなければ、何も変わらないのです。そして、学校や園関係者の皆さんと一緒に、どうしたらこども達を守れるか、安全に給食を食べられるかを模索していきたいと思っています。

学校と園の関係者の皆様、是非ともご協力をお願い申し上げます。