小児科 すこやかアレルギークリニック

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マイコプラズマ
2008年07月06日 更新

「木を見て森を見ず」という言葉があります。

細かいことよりも、全体を見渡さなければならないという意味だと思います。医療においても、そういう姿勢は大切だと思っています。まずは患者さんの症状を改善させる方が大事だと思うのです。例えば、ぜんそく発作で、苦しくて夜も眠れないのに、「ぜんそくの原因はハウスダストです」と言われても、患者さんにとって苦しいのが治まらなければ大してメリットはないと思うのです。

当院は、アレルギーの患者さんが多いですが、「咳が止まらない」とおっしゃる患者さんも多いです。中には、前医で「マイコプラズマ」だと診断され、内服の上に点滴に通ってもよくならないと当院を受診される患者さんも少なくありません。マイコプラズマとは、気管支炎や肺炎を起こしやすい菌で、たいした熱もないのに咳が長引いてしまう場合のある病気です。

ある患者さんに伺うと、血液検査でマイコプラズマと確定されたという話でした。有効とされる内服の他に更に点滴を4~5回繰り返しても良くならず、おかしいと思って当院に来られたそうです。私はその感覚は大事だと思います。マイコプラズマに効くとされる薬でそれだけ治療しても、治らなければ何らかの見落としがある可能性も考えないといけないからです。

医院ですぐに判定できるマイコプラズマの検査は、結果にバラツキが出得ることに注意しなければなりません。当院で検査させて頂いたら、どういうことかマイコプラズマの反応は全く出ておらず、診断が違っていたと判断せざるを得ませんでした。稀なケースかもしれませんが、こういうこともあるのです。ちなみに薬を替えたら、改善がみられています。

医師は病気に狙いを定めて、治療をするのが普通ですが、患者さんの症状が改善しなければ、見落としがないか考えて欲しいのです。最近は薬の効きにくいタイプのマイコプラズマもあるようですし、検査が微妙な場合は違っているのではないかと考える冷静さも求められると思います。

数ヶ月という短期間に3回もマイコプラズマを繰り返していると説明されている患者さんもいらっしゃいました。多分、以前かかった時の抗体をみて、そう診断されたのだと思います。一般的には、そう何度も繰り返すものでもないと考えられています。実は、この患者さんはマイコプラズマではなく、ぜんそくと診断されました。専門医でなければ、判断が難しかったと思いますが、ぜんそくの治療をしたら、じきに咳は止まってしまいました。検査に頼り過ぎると、医師でもこんなこともあり得るのです。

患者さんにとって、原因が分かることより、お子さんの症状が1日でも早く改善するのを願って通院されているのです。小児科医は、あらゆる知識を駆使して、いろいろなことを想定して、思い込みを排除して、患者さんのためになるべく早く病気が治ることを考えるべきだと思っています。

ちなみに当院は、マイコプラズマで点滴はしていません。開院して10ヶ月になりますが、薬の飲めない小さい子に一人のみ行っただけです。診断が正しければ、飲み薬だけで充分に効果があるのです。その上、点滴は子供が嫌がり、時間がかかりますので、なるべく避けたいという判断もあります。

私はアレルギーの他に、呼吸器にもこだわって診療しています。一見分かりづらくても、診断が的確にできれば、治療により症状は間もなく改善します。マイコプラズマと診断され通院しても症状が長引く場合は、当院にご相談下さい。