昨日、ある患者さんが当院を初診されました。まだ2ヶ月で、生まれたばかりです。
実は、上のお子さんは私が診ていて、負荷試験も行っています。アトピー性皮膚炎があり、食物アレルギー、ぜんそくもあるという状況でした。
アレルギーの患者さんを注意深くみていると、上の子がアレルギーがあると、下の子もアレルギー体質なことが多いようです。
受診された下の赤ちゃんも顔や足にガサガサした湿疹があり、痒みがありました。一見すると、アトピー様ではないのですが、皮膚を触るとガサガサしており、痒みを伴う状態でした。私なら上の子を参考に、今後アトピーに傾くかもしれないと考えます。
実は、このご兄弟は他の地域にお住まいで、その土地のアレルギー専門医に診てもらっていました。実家に戻り、上越に来られた時に当院に寄ってくださり、治療や負荷試験を行っていたという格好でした。
ここ最近、「経皮感作」の話をよく書いています。アトピー性皮膚炎があり、皮膚から食べ物が入ることで、食物アレルギーを発症し、のちにぜんそく、鼻炎を発症するとされます。
アトピー性皮膚炎を早期に発見し、治療すれば、アレルギーの発症を抑えられる可能性が示されています。アレルギーにこだわった小児科医なら、皆そういうことを考えて、治療に取り組んでいるものと思っていました。
そのアレルギー専門医の先生にかかった時、「これ出しとくね」と保湿剤とステロイドの混ぜられた軟膏を出されて、診察はすぐに終わってしまったそうです。アレルギーに詳しくない医師なら、これがスタンダードな対応でしょう。
しかし、アレルギー専門医で、先日の日本アレルギー学会でも顔を合わせた先生でした。これには、ちょっとガッカリです。
学会は、明日からの診療に役立つ話がたくさん出てきます。当院の場合、2年前くらいだったでしょうか。成育医療センターでアトピー性皮膚炎を発症するリスクの高い赤ちゃんに生後1週間から保湿剤を塗り続けたら、8ヶ月の時点でアトピー性皮膚炎を3割減らすことができたという研究発表があり、それはヤフーニュースでもトップニュース扱いでした。
それをみて、その記事を院内に貼り出し、希望する患者さんには保湿剤を塗るよう指導したりしたものです。アレルギーを発症するといかに大変か、知っているつもりだからです。
最新知識で患者さんに役立とうとする。それが専門医としての役目だと思っています。いろんな専門医がいて、私と同じような考えで、診療に取り組んでいないのかもしれませんね。つい、やり慣れた方法を取ってしまうのかもしれません。
発症を抑えられるものなら、抑える努力をする。確かにそれだけで完璧に抑えられるものではないかもしれません。でも努力はすべきです。
最新知識を駆使して、患者さんのために頑張りたいものだと思っています。


