小児科 すこやかアレルギークリニック

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集団食中毒
2016年01月27日 更新

先日、福島県の小学校で集団食中毒が発生したとのニュースがありました。
http://news.infoseek.co.jp/article/20160123_yol_oyt1t50129/

こういう場合、この時期ということもあり、ノロウィルスの集団感染かと思いましたが、違うようです。サンマのすり身からヒスタミンが検出されたと書いてあります。

サバはアレルギーを起こしやすいと言われていますが、新鮮なサバはそうアレルギーを起こすものではないと思います。では、何故都市伝説のようにそう言われているのか?。

今回のサンマのすり身の話と同じことが起きています。サバもそうですが、魚の体内にヒスチジンという痒み物質の元を含んでいます。鮮度が落ちると、雑菌によりヒスチジンがヒスタミンという痒み物質に変換されます。

紛らわしいですが、魚の中に含まれる痒み物質を食べて、痒くなるのはアレルギーではありません。アレルギーでも、確かにヒスタミンが関与しています。アレルギー反応の結果としてヒスタミンが放出され、痒みなどの症状を誘発するのですが、そのままヒスタミンを食べることで、痒くなるのとは機序が異なるのです。

今回の場合、毒性のものを食べたということで食中毒に当たります。でも、ヒスタミンが体の中で悪さをするので、症状は相当似ています。調べてみると、東京都福祉保健局のHPが参考になります。発赤、じんましん、頭痛、嘔吐、下痢、重症になると呼吸困難や意識不明になることもあります。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/

同ホームページによると、原因食品として最多はカジキマグロ、ブリ、マグロ、サバと続きます。サバはトップではなく、4位に甘んじていますが(?)、多くの人から目の敵にされていることが分かります。

このホームページ、勉強になります。白身魚より赤身魚の方がヒスチジンが多く含まれている図が示されています。もともと多くの原因物質を含んでおり、多くのヒスタミンが産生されるという格好です。

食物アレルギーは、アレルギー体質の人に出やすいですが、このヒスタミン中毒は、アレルギーがあろうとなかろうと発症します。これまでアレルギー体質を自覚していない人がアレルギーに似た反応を起こせば、疑っていいでしょう。

ヒスタミンは熱に強いため、加熱しても消失しません。冷蔵しても、その途中でヒスタミンができることもあるそうです。今回のニュースでも、事件を起こした業者は「冷凍保管すれば消費期限が延びると思った」と言ってますが、冷凍前にヒスタミンが出ていたのか、冷凍保管中に産生されたのか分かりませんが、いずれにしても給食を食べた子ども達はヒスタミンをたっぷり含んだサンマのすり身を食べさせられてしまったのでしょう。

今回は食物アレルギーではないですが、食品業者もなかなかアレルギーについて学ぶ機会も少なく、知識不足が招いた事件と言えましょう。つい先日、廃棄予定のカツが転売されていたことがニュースになったばかりですが、捨てるのはもったいない、利益につなげないかと画策した点は似ているのかもしれません。

このニュースが取り上げられたのは、23日のことです。この場で、旬の話題として取り上げなくてはと思っていました。実は、昨日まさにヒスタミン中毒を疑う患者さんが当院を初診されています。

小児科と皮膚科、2件にかかっていましたが、重い症状を起こしているにもかかわらず、精査も十分行われておらず、放置されていました。結局、親御さんが心配になり、学校側の勧めもあり、当院にたどり着いたという格好です。

明日にでも、また触れようと思っています。