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他力本願
2015年12月10日 更新

以前も触れたことがありますが、開業医って孤独です。

総合病院なら、内科や外科、耳鼻科など他科の先生もいるため、困ったケースに遭遇すると、相談することができますが、開業って通常、医師はたったひとり。誰にもすぐには相談できない状況です。

分からないことに遭遇すれば、すぐに他の先生に相談して、問題を解決した方がいいに決まっています。しかし、開業医って患者さんが大勢押しかけ、1人の患者さんに手間取っていると、診療がストップしてしまうため、手間取らないようになってしまうようです。

つまり、言葉は悪いですが、適当にあしらってしまうようです。その結果が、喘息があるにもかかわらず、「風邪としか言いようがない」の一言で患者さんを諦めさせてしまうのです。湿疹があって、医師に診断名を聞くと「湿疹でしょう」と小馬鹿にしたように答える皮膚科医もいます。明らかにアトピー性皮膚炎と診断できるケースでもです。

当院で診療していると、こんな嘆かわしい対応をされた患者さんが、救いを求めて受診されます。医者は風邪なら風邪と診断してもいいですが、治療しても良くならなければ、「風邪じゃないんじゃないか?」と自ら考えるべきですが、風邪と決めつけられてしまい、戸惑い、諦めて鞍替えされるのは患者さんの方です。

風邪や胃腸炎は、当院でも大勢診ていますが、ご存知の通り、特効薬はありません。熱が続いていたり、何度か吐いていても、「やり過ごすしかないんですよ」と言っています。嘔吐、下痢の患者さんが増えてきましたが、上から下から体内のウィルスを放出して、追っ払い切ったら治ってくるので、ぶっちゃけ待つしかない訳です。

いわゆる急性疾患は、薬なんて飲まなくても、大抵は自然に治ってしまいます。溶連菌などは違いますよ。溶連菌に効果のある抗生剤を使うと、半日ほどで軽快してしまいます。インフルエンザもタミフルなどの抗インフルエンザ薬ができて、治療しやすくなりました。以前は、「5日くらいは下がらないだろうから、何とか乗り切りましょう」なんて言っていました(汗)。

いずれにしても、多くの病気は他力本願で何とかなります。何ともならないのが慢性疾患です。放っておいてもなかなか治ってこないから、時間がかかるのです。

小児科で、慢性疾患といえば、最多はアレルギーでしょう。少し前にも触れたと思いますが、夜尿症の専門の先生に言わせれば、夜尿症が2番目に多い、慢性疾患でだそうです。これも放置して治っていくケースもあれば、なかなか治らず、修学旅行など宿泊のあるイベントの直前に相談に来られるケースって、医師の側からすると良くあることです。

夜尿症も、タイプがあるのですが、タイプによっては治療を開始すると、あっという間に失敗がなくなってきます。ぜんそくもアトピー性皮膚炎もキチンと診断できると、今は医学が進んでいるため、劇的な症状改善が期待できます。

確かに治療をサボると、また悪化してしまいますが、治療をしている限り、かなり症状を封じ込めることができます。決して他力本願ではないのです。

アレルギーって、小児科医の間では患者さんが思うほど、力を入れている医師って少ないと思っています。多くの医師が風邪とか乳児湿疹と決めつけ、過少診断、過少治療で良くなっていないことがとても多いようです。

慢性疾患は、他力本願ではなく、自力で治そうとするものと思っていただいてもいいだろうと思っています。