小児科 すこやかアレルギークリニック

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2014年06月12日 更新

昨日も水曜の午後ということで、中越地方の某市へ講演に行ってきました。

今回は、ある保育園に伺ったのですが、父兄会という形式でした。この園には私の診ている食物アレルギーのお子さんも通っていて、園の先生方に食物アレルギー対策を知って頂く意味合いもありましたが、親御さん達にも食物アレルギーで困っている方は多いので、なかなか得られにくい正しい情報を伝えるチャンスでした。

お子さんが食物アレルギーでなければ分からない悩みや辛さがあります。でも、詳しくは聞いていませんが、参加者の中には「食物アレルギーは持っていないけれど、興味があって」という方もいらっしゃると思います。

最初から最後まで食物アレルギーの話をするのではなく、プラスαの話も加えたいと考えていました。

そこで、講演の冒頭に「ヒトメタニューモウィルスってご存知ですか?」という話から始めました。

ここ最近たまに取り上げているヒトメタニューモウィルスですが、普通に検査しては医院の儲けにつながらないため、予想していた通り、疑っても検査をしない医師も結構いるようです。

私はこういう考え方が嫌いです。正しく診断することで、高熱が続き、咳もひどい原因を特定できるのです。「敵」を知ることは、親御さんに大きな安心を与えることができます。調べるか調べないかは、もはやモラルの問題です。

当院がヒトメタニューモウィルスの検査キットを導入し、疑わしいケースを調べてみると、市内の各地で結構見つかったため、市側にお願いして全園にヒトメタニューモウィルスが流行っていることを告知してもらいました。当院がヒトメタニューモウィルスが出たと親御さんを通じて園側に伝えると「何ですか、それって!?」なんて毎度言われるので、周知徹底してもらおうと考えたのです。お陰で、上越市内のすべての園はヒトメタニューモウィルスの存在を知っていることになっています。

昨日の講演では、「ヒトメタニューモウィルスを知っていますか?」と聞いて、多くの方が手を挙げたらどうしようと思いつつ、聞いてみたら手を挙げた方は一人もいませんでした。

正直、ホッとしました。つかみはOKです。

熱が4日続き、咳もひどいため、胸のレントゲンを調べたら肺炎像を認め、血液検査による炎症反応は陰性で、マイコプラズマは陰性。ヒトメタニューモウィルスを疑い検査してみたら、しっかり陽性だったという例を提示しました。

やはり親御さんは自分のお子さんが病気の際に、ましてや高熱が続くなど状態が悪い場合、病気の原因を知りたいと思うと思います。医院の損になるから調べないんだとしたら、それはモラルの低い医療だと思っています。

そのためには、ヒトメタニューモウィルスというウィルスの存在を親御さんが知る必要があります。そういう意味では、上々のスタートを切れたと思っています。

ヒトメタニューモウィルスの話だけではどうかと思ったので、次は水イボの話を持ってきました。

上越はそうなのですが、小児科医は「どうせ治るから、取らない」と言うし、皮膚科医はステロイド軟膏を塗らせるという有り得ない“治療”をさせる医師もいますが、押さえ付けて取る医師が多いようです。

この傾向は、県内は皆同じようだと思っています。水イボは一気に増える恐れがあり、ピンセットでつまんでしまうのが、手っ取り早い方法です。ただし、なるべく痛くないようにして取る方法が推奨されています。

先日、腕に水イボが多発しており、正直度肝を抜かれたケースをご紹介しました。5月24日の記事に添付した画像を確認して頂きたいのですが、2週間後に経過を見せて頂いたところ、ご覧のようになっていました(画像参照)。

初診時、左腕だけで100個はあった水イボを地道に取ったのですが、画像ではあっても10個余りです。取り損ねたか、取ったあとから出てきたものもあろうかと思います。

当院での水イボ治療のビフォーアフターを披露した訳ですが、園の先生方にはインパクト大だったようです。予想通り、この街でも小児科に行っても「取らない」と言われ、かと言って園では他児にうつる恐れがあり、対応に困っていたそうです。

園の現場や親御さんには切実な問題なのに、医師は「様子を見て」なんて平気で言うし、相当な温度差があることが見てとれます。

当院では、1年前から日本の第一人者が推奨する方法で治療していますが、ほとんど広まっていないようです。医師たる者、ベストと思える治療を提供したいと思わないのでしょうか?。「田舎の開業医だから、レベルが低くても仕方ない」なんて思うようなら、それはとんでもない危険な発想です。

あとは、“乳児湿疹”と誤診され、実はアトピー性皮膚炎の患者さんの画像を4人分見て頂きました。当院の治療のビフォーアフターをです。過小診断で、過小に治療されており、だから良くなっていないという、言わば当たり前のどうしようもない話です。

参加者の親御さん達にもインパクトはとても大きかったようで、医師によって診断や治療が大きく異なることが理解頂けたようです。導入をそうやって持ってきて、「では食物アレルギーはどういう“現実”になっているでしょうか?」と話を進めたので、多くの方がそのあと続く食物アレルギーの話を1時間半も集中して聞いて下さいました。

保育園や幼稚園の先生方は、乳幼児を扱うお仕事で、食物アレルギー対策も大変でしょうが、感染症もある程度は知っておく必要があります。こういった話の持っていき方は「結構使える」と思いました。

私のような話でも聞きたいという園関係者がいらっしゃれば、出向いて話させて頂きたいと思います。是非とも声を掛けて頂ければと思っています。