先日、当院まで100キロ以上離れた街から受診された卵アレルギーの患者さんに、卵を含むお菓子で負荷試験をしました。
もともと別の病気があり、某市の小児科で診てもらっていて、食物アレルギーも一緒に相談していたようです。
ただ、いつも言っているように新潟には食物アレルギーの専門医はほとんどおらず、その先生も数値を見て完全除去と言っているのみでした。親御さんはそれに疑問を感じ、当院に救いを求めて遠路遥々受診して下さったのです。
アレルギー検査の数値は、クラス4でした。当院のデータからすれば、前医の言うような完全除去が必要の可能性は極めて低いのです。当院の常套手段となっていますが、まず卵入りのお菓子で負荷試験をして、少しなら食べられることを確認するつもりでした。
ところがです。予想外に症状が出てしまいました。ちょっと変わったパターンですが、お尻にだけ蕁麻疹が集中して出始めました。抗ヒスタミン薬を飲ませてまもなく、ゼーゼーし始めました。さほど強いゼーゼーでもなかったため、気管支拡張薬の吸入とステロイドの内服、点滴も併用し、症状は徐々に軽快してきました。
クラス4程度ならお菓子は食べられる可能性が高いのですが、思いの外、症状が強めに出てしまい、完全除去が望ましいことが証明されました。
ただ、最近は完全除去ではなく、むしろ少量含む食品を食べるべきと言われているため、何とかして食べる術を見つけてあげたいと考えました。
そこで思いついたのが、明日に迫った「すこやか健康フェア」です。今回講師の伊藤節子先生は、『抗原量に基づいて「食べること」を目指した食物アレルギーの診断と治療の実際』というお話をして下さいます。
今回のような重症な患者さんにはうってつけの内容ですし、講演後に「情報交換会」も用意しています。必要があれば、日本の第一人者に直接お子さんの質問ができるのです。もう参加するしかないのです。
ただ、このイベントのことをご存知なかったようで、ちょっと急な話だったようです。まだ参加できるか調整する必要があるそうです。私としては、こういう患者さんのために、「今の食物アレルギー医療はこうなっているんだよ」ということを知って頂きたいがために、日本の第一人者の先生を招くというこのイベントを毎年計画しています。何とか参加して頂きたいと思っています。
実は、参加者の皆さんにプレゼントがあります。伊藤先生のお取り計らいで、参加者の方々に食物アレルギーの冊子を差し上げることになっています。
また、今回、スペシャルゲストであるゆうこりんさんも参加して下さいます。今度はゆうこりんさんのご配慮で、「ケンミン食品株式会社」さんからご協力を頂き、アレルギー対応食のサンプルを頂けることになっています。
ご用意頂いたものは、ビーフンと〆に食べたいお米のめん、ライスパスタです。
http://www.kenmin.co.jp/company/allergie.html
どれも米を使った麺ですが、子どもは麺類が大好きです。小麦アレルギーがあると、麺類のほとんどが食べられません。そんなお子さんのために、安全に麺類を味わって欲しいと思っています。
50食分をご協力頂いていますので、小麦アレルギーがあり、麺類を食べられないお子さんに優先して差し上げる予定です。
今回取り上げた患者さんのように、多くの医師が数値だけで、敢えて言えば“安易に”完全除去と言っているのが現状です。結果的には、お菓子程度でも症状が出てしまいましたので、完全除去が望ましいと思いますが、お母さんにはもっと少なく卵を含む食品を提示し、「これなら食べられるのでは」と提案しています。意地でも卵を食べさせるつもりです。
今回の「すこやか健康フェア」は、かかりつけ医から完全除去を指示されている患者さんにとって、実りある講演会になると自負しています。プレゼントもありますし、多くの方々に参加して頂きたいと思っています。


