小児科 すこやかアレルギークリニック

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2013年08月02日 更新

数日前に、“悪い例”という記事を書きました。

驚くほど低レベルな“医療”を受けていても、それに気付かない患者さんもいます。医療とは患者さんの立場に立ったもののはずなのに、患者さんにとっては不利な、根拠もへったくれもない“医療”がなされていることが目に付くのが食物アレルギーの世界だと思っています。

患者さんからすれば、お医者さんのいうことは「絶対」なのでしょうが、そうではないことを誰かが教えてあげないといけないと思うのです。それが先日の“悪い例”という記事につながった訳です。

そのせいかどうか分かりませんが、ある日に二つの県庁所在地から受診がありました。

まず一人目は、新潟市から。小さい頃から牛乳アレルギーと診断されていましたが、いつも言っているようにアレルギー検査でミルクの値が陽性であるということで、小児科医から除去を指示されていました。

これまたいつものパターンで、食物負荷試験の存在すら知らされていませんでした。年長の時に家で乳製品を与えてみたら、じんましんと呼吸困難があり、アナフィラキシーを起こしてしまいました。

それこそ“悪い例”で挙げた時のように、エピペンの話すらされていませんでした。このようにアナフィラキシーを起こしても、一生食べられない、飲めないとは限らないと思っていますが、ひたすら「除去、除去」と医師から言われていました。

成長とともに、二つのパターンに分かれるように思います。本人もおびえてしまい、まったく口にしないタイプと、自分でチャレンジしてしまうタイプです。今回の患者さんは、後者の方で、乳を少し含む食品は母に内緒で口にしていたそうです。含まれる量にもよるのかもしれませんが、症状が出る時と出ない時があったようです。

母は、地元の小児科医からずっと完全除去をし続けるのが正しいと言われていたのを「真実」と思っていましたので、私の言うことが逆だったため、驚きを隠せませんでした。話を聞いていると、牛乳で負荷試験をやるにはリスクがあると判断し、乳を含む加工品から負荷試験をやることを提案しました。

何とか少しでも食べてもらい、食べられると自信を持って欲しいし、少しは食べ慣れる方向に持っていけたらと思っています。

もう1人は、珍しく県外からの受診で、長野市からの受診でした。新潟市から当院までは約120キロ、長野市は約90キロなので、長野市の方がやや近いことになります。

新潟市も長野市も県最大の中心都市であり、きっと文化などの中心的な役割を果たしているのだろうと思います。となると、医療も県ではトップクラスのはずです。勤務医も開業医も多いことでしょう。ただ、ことアレルギーに関して言えば、アレルギー専門医は少ないようです。

新潟市には負荷試験をやっておられる先生が約1名いらっしゃいますが、当然一人ではまかないきれず、長野市もどれくらいやっているのだろうと思います。いずれの街も人口が多く、患者数も多いことになります。適正な診療を受けられていない患者さんを「アレルギー難民」と言うと聞いたことがありますが、そういった患者さんはかなり多いだろうと思っています。

患者さんは、ペカンナッツでアナフィラキシーの既往があり、他のナッツ類が食べられるかどうかを相談に来られました。ペカンナッツとはクルミの仲間で、クルミはアレルギー検査で高値を示しています。クルミは除去が必要でしょうが、他のナッツ類は除去の必要がないこともあります。

やはり“悪い例”で挙げたようにいずれかのナッツでアレルギーがあると、全てのナッツ類を悪者に仕立て上げる医師が多いですが、必ずしもそうでないことは専門医なら経験済みだと思います。アレルギー検査と皮膚テストをやり、両方とも陰性であれば、食べられる可能性が高いだろうと思っています。

ちなみに、この患者さんの場合、既にエピペンは処方されていました。ここが“悪い例”の話とは異なるところです。ただ、専門医が園に出向いて誤食時に対応やエピペン使用のタイミングを説明はしていないようです。一昨日も160キロ離れた新発田市に講演に行きましたし、90キロ程度なら全然私の守備範囲!?ですので、必要があれば長野市のこの子の通う園にも話に行くことになるかもしれません。

いれずの患者さんにも、間違いなく30分以上は説明することができました。地元でこれまで受けられなかったような本格的な医療を提供するのが私の役目だと思っています。一番やってはいけないのが、「上越まできて損をした」と思われることなので、一応“格の違い”は理解して頂けたのではないかと思っています。

損はさせないようにしたいと思っていますので、日頃,地元のアレルギー医療に不満をお持ちであれば、夏休みを利用して一度受診して頂ければ幸いです。