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大人のアレルギー
2013年07月09日 更新

ネットニュースにこんなタイトルが出ていました。

「大人の食物アレルギー 原因は」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130708-00000008-sasahi-hlth

読んで頂ければ分かるのですが、果物と野菜のアレルギーと茶のしずく石けんで有名になった食物依存性運動誘発アナフィラキシーのことが書かれていました。

記事によると、相模原病院を受診した大人の食物アレルギーの原因の1位が果物と野菜アレルギーが最も多く、次いで小麦アレルギーだったのだそうです。ニュースをにぎわせた茶のしずく石けん絡みのことなので、これは一時的だろうと思っています。

私の知っているデータでは、大人の食物アレルギーの最多のアレルゲンは甲殻類です。ちなみに2位小麦、3位果物類、4位魚類、5位ソバとなっています。今回の記事では、1位と2位のことしか触れていないようです。

アレルギー体質でない人にとってみれば、果物や野菜でアレルギーを起こすなんてとお思いでしょう。近年、花粉症の患者さんが増えています。花粉症を発症すると、果物や野菜でアレルギーを起こす可能性があるのです。

その前に「交差反応性」について触れておかねばなりません。例えば、鶏卵アレルギーがあれば、ウズラの卵も止めておこうとなると思います。牛乳アレルギーがあればヤギの乳も与えないようにしようとしますよね?。あるデータによると、牛乳とヤギの乳のソックリ度は92%なのだそうです。

要は、似た者同士の場合、タンパク質の構造がソックリなので牛乳に反応する人は、ヤギの乳でも症状が出てしまうという意味です。

実は、花粉と果物・野菜とのタンパクの構造がソックリ度が高く、記事に出ているようにハンノキやシラカンバの花粉とリンゴやビワ、モモが似ていると言われます。これらの花粉症のを発症したのちに、リンゴやモモを食べると口がイガイガしたり、唇が腫れたりという症状が見られるようになってきます。

こういう口だけに見られる場合を、口腔アレルギー症候群と言いますが、これも記事に書いてあることなのですが、出てきた女性がアレルギーという自覚がなかったりします。じんましんがボコボコと出てくれば、アレルギーを疑うのでしょうが、口のイガイガや違和感程度だとアレルギーだと気付いていない患者さんも少なくないのだろうと思います。

茶のしずく石けんによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーも、「加水分解小麦」が原因となっています。これもご存知の方も多いと思いますが、茶のしずく石けんに含まれるグルパール19Sと呼ばれる「加水分解小麦」が皮膚から入り込むのですが、言い方は変ですが、皮膚から入り込みやすいピッタリの大きさ(分子量)だったのだそうです。

「加水分解小麦」は小麦とは少し異なるため、アレルギー検査で「小麦」を調べても反応が出ないようです。これも記事に書いてあるように、「加水分解小麦」とは小麦を塩酸などを使って細かく分解したもので、小麦そのものではないそうです。

麺類やパンを食べて、走ったりテニスをしたりして、アナフィラキシーショックを起こすケースが続出したようですが、これも小麦と「加水分解小麦」の交差反応性に依るようです。

先週末、知り合いの内科の先生から食物アレルギーの患者さんを診て欲しいと連絡を頂きました。話によるとクルミを食べると、息苦しくなるのだそうです。

患者さんが希望されているようですが、確かにエピペンの適応でしょう。子どもなら周囲の大人が守らないといけませんが、大人だと基本的に自分の身は自分で守らないといけないということだと思います。

ちょっと気になったのは、大人の食物アレルギーを診る受け皿がとても少ないことでしょう。いつも言っているように、新潟県は食物アレルギーの専門医が極めて少なく、食物アレルギーを持つ子どもでさえも、キチンと管理されていない現実があります。

となると、大人の食物アレルギーも的確に診断され、キチンと指導されている患者さんは少ないのだろうと思っています。