昨日の文章を読んで頂ければ、私の食物アレルギーに対する気持ちが少しは伝わるのだろうと思っています。
食物アレルギーに興味を持たない医師は、ビックリする程、患者さんに正しい知識を提供しようとは思っておらず、とにかく除去していればいいと思っている訳です。除去していれば何も起きないため、「何もやることはない」と学ぶことを止めてしまっている医師も多く見受けられます。
実は、当院の患者さんの方が、そういった小児科医よりは正しい知識を持っているくらいです。医療の“プロ”であるはずの医師と逆転現象が起きてしまっています。食物アレルギーではよく見られる光景です。
要は、医師免許の有無にかかわらず、日頃から努力して学べば、“プロ”を超えてしまえるのです。ただし、親御さんも好きでやっているというよりは、お子さんをアナフィラキシーから守るために必死になり、そして身に付いているという方が適切と思われます。
ただ、私の指導が完璧なんてことは全然なく、「すこやか健康フェア」に日本の第一人者の先生に来て頂き、最新情報やより正しい知識を持って頂ければと思っています。
毎日のように百数十人の診療をしつつ、講演や学会の準備をしていますが、今は頭の中は「すこやか健康フェア」モードになっています(汗)。
昨日、海老澤先生と栄養士の林先生から発表のスライドが届きました。
それを印刷して、参加者の皆さんに資料として配布するつもりです。ちょっと見させて頂いたのですが、「スゴい」の一言です。さすが日本の食物アレルギーを動かしている先生方だけのことはあります。私も読むだけでも、勉強になります。
私自身、新潟県内で食物アレルギーの専門医は極めて少ないため、それに気付いている分、力を入れざるを得ないという状況です。それで忙しい診療の合間に「食物負荷試験」をやって、食べられるものを増やそうと努力しています。それこそ、今回の会場のある長岡市からも患者さんが受診して下さっています。
最近、食物アレルギーの指導に栄養士の協力は欠かせない、ということがよく言われます。
確かに「餅は餅屋」なだけに、小児科医は栄養学について「プロ」とは言い難いと言えます。ただ、一般的な栄養士さんは食物アレルギーに詳しいかと言えば、あまり食物アレルギーについて学ぶ機会はないようです。私は今回の「すこやか健康フェア」では県内の栄養士の方にも聞いて頂きたいと思っています。
ということで、今回の林先生のように全国トップレベルの専門病院でトレーニングを受け、実践されている先生の話を聞くのは貴重と言えるでしょう。
当院に来られる患者さんに負荷試験をやってみると、二つのケースがあります。
かかりつけ医に「除去、除去」と言われていたのだけれど、除去する必要がなかったケース。アレルギー検査が陽性なだけで、「食べるな」と言っている医師の指導ではこういうことはよくあります。患者さんにしてみれば、必死に“無駄”な努力をしているし、園や学校でも必死に除去されています。医師の不勉強で、患者さんが多大な迷惑を被っている訳で、正直腹が立ちます。
もう一つは、負荷試験を行なってみると、微量でも症状が出てしまう、重症な患者さんも含まれます。「これまでの除去は正しかったのね」というケースです。
仕立て上げられているだけで、食物アレルギーでないならば、誤って食べても何も起きません。その一方で、本物の食物アレルギーでしかも重症ですと、アナフィラキシーを起こし得ます。園や学校の食物アレルギーの対応のガイドラインでは、こういう患者さんを守るために、抗アレルギー薬やエピペンを預かり、いざという時に投薬できるようにしておく必要性を述べています。
食べなければ生きていけないのに、食べることで生命の危機的な状況に陥ってしまうのです。こういう患者さんには、より正しく、適切な指導を濃厚に行なうべきでしょう。当院でもこういう患者さんを診ていますが、そのアレルゲンに対し、完全除去を指導せざるを得ません。
私も反省すべきは、栄養学的なアプローチが十分ではなかったということです。今回の林先生のスライドを拝見していると、完全除去の時の指導の話が出てきます。例えば卵、牛乳、小麦を除去している患者さんに、どういうものを食べさせるかとなるのですが、実際の銘柄の画像が出てきて、「こういうものがお薦めですよ」となっています。
この数枚のスライドだけでも、十分に価値があるものです。重症な食物アレルギーの親御さんはもちろん、これまで食物アレルギー児に対する栄養指導にかかわってこられなかった栄養士の方にも是非とも聞いて頂きたいと願っています。
また、話は多岐に渡り、離乳食の進め方にも触れられているようです。となると、今回の参加の対象は、食物アレルギーの患者さん、保護者だけでなく、食物アレルギーの心配な保護者も含めた方が良さそうです。
6日の「すこやか健康フェア」にはどれだけの参加があるのかは、蓋を開けてみないと分かりません。ただ、講師の先生方のスライドをちょっと拝見しただけでも、「これは多くの人に聞いてもらいたい」と強く思いました。「必見」と言うか「必聴」でしょう。
参加しようかどうか迷っている方、行かなくてもいいかなと思っている方も、絶対に損はさせませんから、ハイブ長岡に足を運んで頂きたいと思っています。


