昨日は、診療が終わっていろいろやっていたら、勉強会に遅刻しそうになりました(汗)。
この春、私の診ている食物アレルギーのお子さんが長岡市の小学校に上がるのですが、エピペンを所持しています。
この小学校ではエピペンは預かってもらえるようです。ただ、学校側には過去にそんな経験がありません。国がそういう方針を決めたものの、この場でよく言っているように、明らかな情報不足で、「エピペンって何?」、「アナフィラキシーってどういう状態なの?」、「どうなったら打たなければいけないの?」などなどいろんな疑問を持っていると思います。
食物アレルギーの患者さんが増えており、それが「学校生活管理指導表」のアレルギー疾患版が作成されたそもそものきっかけです。ぜんそくの重症発作で窒息しそうになることは、治療法の進歩によりまず見られなくなりました。あと、死にそうなくらい重篤な状況に陥ると言えば、食物アレルギーにおけるアナフィラキシーショックでしょう。だからこそ、国が学校の職員にエピペンを打つことを推奨しています。
国のやっていることは、正しいと言えます。ただ、いきなり答えを出して、そこまでに至るプロセスは「ちょっと置いといて…」という印象は否めません。つまり、学校という受け皿に対し、食物アレルギーやアナフィラキシーに対する知識を提供する場が与えられていないということです。
子どもの、場合によっては命に関わることを、現場に“丸投げ”といった感じと言えなくもありません。ただし、現場に食物アレルギーの知識を充分に持ってもらってからエピペンを預かることを始めると、「いつのことになるやら」となってしまうでしょう。こういうやり方は、なくはないということなのかもしれません…。
エピペンの勉強会の時間にとりあえず間に合いました。会場は、春休みにもかかわらず、学校の先生方がほとんど集まってくださったようです。あと親御さんも来ていました。プロジェクターとスクリーンがセッティングされており、私はパソコンとレーザーポインターを持って行けばいいだけなので、楽です。
今回のような話は最近はしょっちゅうしているので、いつでも話せる状況ですが、ただ今回小学校に上がる患者さんが過去に何を食べて、どういう症状を起こしたのか?、アレルギー検査の結果はどうなっているのか?など個人の情報も学校側と情報共有しておく必要があります。
先週末の親の会のスキー旅行の際に、子ども達に何か起きないか待機している間に、当院の電子カルテをコピーしたものを持っていき、今回のスライドの作成をしていました。時間は有効に使わなければなりません。
現在の食物アレルギーの捉え方も理解して頂きたかったし、学校には当院で診ていない患者さんもいることでしょう。アレルギー専門医は県内には極めて少ないので、その患者さんの取り扱いにも役立つような話をしなければなりません。いつも話をする時は、つい力が入ってしまいます(笑)。1時間半くらいお話ししたでしょうか?。
その後で質問コーナーになったのですが、いつになく鋭い質問が飛び交います。それだけ真面目に取り組んでくださっていることが伝わってきます。話だけ一方的にしておいて、疑問点を解消しないのはいただけません。
学校側がすべて対応しなければいけない訳ではありません。仮に誤食を起こしてアナフィラキシーに陥ったとしても、親御さんや救急車がすぐに到着する状況であれば、エピペンを使う必要はないと思っています。予想外に急速に重篤な状態に陥り、救急車が来る前に何もしないことが問題なのです。私は学校が完璧な対応をしなくてもいいと思っていますし、それを期待することは酷だと思っています。誰も助けられないような状況でのみ、手を下して欲しいということです。
ですから、こういう学校に話に行く時には「完璧に対応しなければ、自分が責任を負われる」と捉えているであろう学校の先生に「そうじゃないよ」と伝えることも大切だと思っています。
6日は仕事が終わったら、今度は上越市内の学校の先生が当院に来てくださることになっており、やはりエピペンの取り扱いの話をする予定です。来週も、再来週も予定が入っています。
もしかしたら「救命という医療の難しいことを任され、しなくていいような理不尽な作業を要求をされている」と捉える先生もいらっしゃるかもしれません。先生方もエピペンを使ったのはいいけれど、それによる副作用が出て、親御さんから訴えられたらどうしようなどという心配も持っているかもしれません。そんな危険な役を国が求めている訳ではありません。
6日や11日、18日、もしかしたら25日もエピペンについて話す予定になっています。私の話を聞いた後に学校の先生方に「児童のために頑張ろう」ともっと前向きに捉えて頂けるよう話の構成を練り直し、準備していこうと思っています。


