小児科 すこやかアレルギークリニック

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2012年02月02日 更新

荒れる天候の中、予定通りエピペンの研修会の講師を務めてきました。

マスコミも連日、当院のある上越市の隣の妙高市から大雪の様子を放映しています。平成18年の豪雪の時は4メートル以上の積雪があり、現時点で3メートル80センチ程積もっているようです。当院周辺は海に近いため、今のところは平年並みと思っています。

ただ、風は強く、横殴りの雪が降っており、高速道路も通行止めになることもあります。遅刻したら一大事ですから、早めに出かけようと思いました。高速道路は除雪の技術が素晴らしく、路面に雪が見当たらなかったので、予想外にスムーズに到着しました。

エピペンは、関心が高いせいか、市側も比較的急に参加を呼びかけたのですが、130名以上の参加がありました。特に保育園、幼稚園の先生方は、いきなりエピペンという注射までしなければならないと言われ、躊躇しているというのが本音だろうと思います。

食物アレルギーを持つ子どもへのエピペンも含めた対応は、国の推奨するところですが、私の仕事は、ともすると無理難題を押し付けられたと思われがちの現場の園や学校職員の方々へ、最悪のケースの時に思い切って対応して欲しいということを伝えることだと思っています。

最近、こういう話をする機会も多いため、何度も話しているうちに、どういうデータを示せば「子どものためにやってやろう」と思えるのか、少しは分かってきた気がします。

例えば、エピペンはどれくらい効果があるのか?、早まって打たなくても良かったかもしれない状況で使ったらどうなるのか?、既に抗アレルギー薬やステロイド薬を飲んでいて、その上でエピペンを使う場合は時間をあける必要があるのか?、エピペンの副作用は?、万が一の時のサポートは?。だいたいこの辺りを知りたいのだろうと思っています。

あとエピペンの効き方も、どう効くのかと興味のあるところだろうと思っています。普通に診療していて、アナフィラキシーで受診されるケースはさほど多くはないと思っています。救急病院では時々あるでしょうが、開業医に運ばれてくるケースは、当院では開院以来、数える程しかありません。つまり、アナフィラキシーでエピペン(医療機関ではアドレナリン)を使う小児科医はさほどいないということになると思います。

食物アレルギーの専門医の場合は、「食物負荷試験」をやっていますし、アナフィラキシーに至ることもあります。ですから、負荷試験をよくやっている医師にとっては、比較的使い慣れており、どのように効くのかは経験上知っています。こういう風に効くんだと話せば、説得力があると思いますし、エピペンを使用後は症状が改善しても病院を受診しなければならない理由も理解して頂けると思っています。

今回の研修会でも、「とにかくエピペンの使い方を知りたい」という参加者が多かったのかもしれません。私の狙いは食物アレルギーについて正しく理解して欲しいということですから、エピペンの件はひとつのアイテムです。ですから、「食物負荷試験」の存在を知って頂く努力も不可欠だと思っています。

前半は食物アレルギーの一般的な話をし、アレルギー検査だけでは何も言えず、「食物負荷試験」で判断しなければならないことを話し、後半はアナフィラキシー時の対応という構成で話しました。

食物アレルギーは、アレルギー症状があればエピペンを使わなければいけない訳ではなく、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬で対応できることもあります。食物アレルギーの患者さんは多いですが、皆がエピペンを処方されている訳でもありません。圧倒的に内服の対応で済む子ども達も多く、「エピペンを預かる」だけではなく、「内服薬も預かり、必要時に投与する」というのも国の薦めるところなのです。

もちろん、救命のための対応が重要ですから、エピペンの使い方もしっかり理解して頂く必要があります。タイトルに「コンビ」と書いたのは、今回もエピペンを販売する製薬会社の方に練習用のエピペンを持ってきて頂き、担当者には使い方を説明してもらいました。4月発売予定の新型のと現行モデルと両方を実際に手に持ち、体験して頂くことは、これまでも「やってみてよかった」と好評だったものです。

私は人前で話をするのが好きでないですし、上手でもありません。ただ、当院で診ている最重症の食物アレルギーのお子さんがこの春、小学校に上がるのですが、その学校の先生と研修会後に個別に打ち合わせを行ないました。「(私の話を聞いて)気が楽になった」という言葉を頂き、伝えるべきことは伝わったのかなと思っています。

重症な子の入学する小学校では、私の診ている患者さんでもう1人エピペンを持っているお子さんが通っています。そういう学校では、できれば全職員がエピペンに関して知識を貯えておく必要があり、いざという時に使えなければなりません。春になったら小学校に出向いて話をする必要がありそうですし、消防隊の方とも連携が大事になります。

また来週も、今度は上越市内でエピペンの話をする予定になっていますが、立て込んでいた講演をだいぶこなしてきたので、予定も減ってきて、がんじがらめ?の状況から抜け出せてきました。

気が楽になったらなったで、もっと話しに出掛けなければいけないのではないか?、自分の知識が役に立つところはないか?という気持ちになっています。仕事を見つけて、全うしていきたいと思っています。