中越の園に行き、エピペンの話をしてきました。
私にとっては、どうしても成功させたかったので、学会発表以上に力が入りました(汗)。おかげで来週に迫った小児アレルギー学会の発表のスライドの準備は1枚も作れていません。これから頑張らないといけません。
その学会発表ですが、私の発表の前の先生が、外来で「食物負荷試験」を相当数こなされており、当院よりも開院しての年数も多いのですが、4000件ものまとめの発表をされる予定になっています。私も顔見知りなのですが、どうしてそんなにできるのか聞いてみたら、かなりアレルギーに特化した体勢で診療をやっているようです。
私も新潟県が遅れている食物アレルギーに力を入れていますが、感染症や健診、予防接種などの「一般小児科」としての業務も多く、その先生と同じような体勢ではできない状況です。そういうニーズがあれば、当院もそのように変化していくのでしょうが、一般小児科としての期待も地元では大きいのだと思っています。
今回の発表で、当院の負荷試験の状況も話に入れないといけませんが、開院してからの集計をしてみると900件余りです。全国トップクラスの外来負荷をこなしている先生のあとでの発表は、ちょっとやりづらい(汗)。
この1年も300件ほど負荷試験をやっていますが、それでも食物アレルギー研究会のホームページの「食物負荷試験実施施設」をみてみると、全国の病院(開業医は入っていません)の負荷実績が見られます。それによると、当院の実績はそれなりに多い部類には入っているようです。ただ、数を競うのではなく、「食べさせたいけど、怖くて食べさせられない」親御さんに確認の協力をしているだけなので、その期待に応え続けるだけです。
それなりに負荷試験を経験していると、いわゆる「経験と勘」というのも出てくることも多いと思います。過去に卵や乳製品を摂ってアレルギー症状が誘発されているケースでは、当然のことながら数値だけで食べたことのない患者さんよりも、実際に症状が出ている分、症状が出てしまう確率は高いでしょうから、負荷試験は緊張します。
先日も、エビと牛乳の負荷試験を同じ日に行ないました。二人とも過去に症状が出たことがあります。甲殻類は“大人のアレルゲン”なので治りにくいことが多く、牛乳も最近話題の「経口減感作療法」において、卵、小麦、牛乳が中心に研究されていますが、どの施設でも牛乳の成功率が低く、大きくなっても微量でアナフィラキシーショックを起こしてしまうお子さんも存在します。牛乳も油断のできないアレルゲンですし、このお子さんも過去には実際に乳製品で症状が出ています。
内心「今日はどちらかの子が症状が出るかもしれない」と思っていました。もちろん、症状が出ると分かっているなら負荷試験はやりません。「そろそろ食べられるかもしれない」と考えての実施です。
当院の場合、医師は一人しかいませんので、他のお子さんを診療しながらの実施になります。もちろん、隣の部屋で負荷試験をしていますので、何かあればすぐに対応できる体勢は取っています。負荷試験のことも気にしながら、診察を続けることになります。
結果はどうだったかと言うと、私の心配をよそに、エビも牛乳も規定量を難なく完食してしまいました。いつもの負荷試験よりは不安はありました。やはり治りにくいアレルゲンで、過去に症状が出たことがあると言うのが引っかかっていました。言い方は変ですが、“嬉しい誤算”と言えるのかもしれません。
県内では負荷試験をかなりやってはいますが、やはり負荷をしてみないと、食べられる・食べられないのは“読めない”のだと思い知らされました。「私もまだまだだな」と感じた一日でした。


