昨年、食物アレルギーの画期的な治療として注目されている「経口減感作療法」を手がけている神奈川県立こども医療センターの高増先生をお招きして、第3回「すこやか健康フェア」を開催しました。
つい少し前のことのように感じますが、毎年10月上旬に行なっているので、「もう1年経つんだな」と思っています。
3回までは上越市で行なっていたのですが、上越、中越からの参加が中心で、下越地方である新潟市などからの参加はまばらな状態でした。「じゃあ、新潟市でやればいいじゃん」とふと感じたことから、今回の準備が始まりました。
講師は、いつか恩師である福岡病院の柴田瑠美子先生に来て頂きたいと思っていたので、お願いしようと思っていました。個人の開業医が立案、運営してやっているイベントなので、こんな感じで頭に浮かんできたことを、実行してきたというのが実情です。「結構、思いつきでやってるな~」と思われても、否定はできません(汗)。
どの医師も、自分の持っている知識以上の医療はできません。食物アレルギーは、従来、アレルギー検査がクラス2以上なら陽性なので、それをアレルギーの原因と考えて除去する、というのが“治療方針”でした。
待っていると、徐々に食べられるようになることもあるので、多くの医師が「このやり方でいいんだ」と考えていると思います。しかし、医学は日進月歩で、知らないうちに、なるべく「食物負荷試験」を行い、食べられるものは食べさせるようにし、必要最小限の除去にとどめるよう努力する、という方針が打ち出され、その変化についていけない医師が多いというのは現実でしょう。
その結果、アレルギーの専門医か非専門医かで治療方針が大きく変わる事態になっています。専門でない医師も、時代に合わない従来のやり方を“正しいもの”と信じてやっていますので、多くの患者さんがそれを信じて、必死に除去を続けています。
食べられるものは食べさせる、という方針を知らなければ、悪意のないものと思いますが、ガイドラインからズレています。また、「食物負荷試験」のことを知っていても紹介すらしない医師もおり、敢えて言えば悪質だと思います。患者さんにベストを尽くさないということは、患者さんの信頼に対する裏切り行為だと思いますので、そういうことはなくさなければなりません。
いろんな医師が、場合によっては180度変わった内容の医療をやるのが食物アレルギーの世界です。全国の食物アレルギーで困っている子ども達の負担を少しでも減らそうと日本統一のガイドラインが作られた訳ですが、ガイドライン作成メンバーである柴田先生の下で学ばせて頂いた者として、ほとんど普及していないガイドラインを新潟県内に広めるのが、「すこやか健康フェア」の第一の目的です。
今回は、狙い通り下越地方からの参加者が多いようです。それはそれでいいのですが、他にも目的があります。
食物アレルギーで悩んでいる親御さんの救済です。救済といっても、いろいろな形があると思います。第一の目的である、講演会で最新情報を知り、正しい医療を受けるようにすることもひとつの救済だと思っています。
除去する食材が多いと、「何を食べさせたらいいのか」と悩んでいるお母さん方も多いと思います。ベストは、同じ母親の立場でいろんなことを聞ける仲間がいることだと思います。つまり、患者さん同士のつながりを構築したいのです。
幸い、新潟市には「わんぱくアトピッ子クラブ」という患者さんの会が存在します。実は、今回の「すこやか健康フェア」でいろいろ宣伝活動でご協力頂いています。
特別講演には、食物アレルギー児の取り扱いに困っている園や学校の先生方も参加されますが、親御さんも参加されます。そういう方々に「わんぱくアトピッ子クラブ」さんのことを知って頂きたいのです。
今回、柴田先生の講演に先立ち、代表の高野さんから会の紹介をして頂きます。会報誌も発行されていますし、会に入会することで、今まで以上に情報が手に入ると思っています。これも何を食べさせていいか分からない親御さんにとっては、力強いサポートになると思っています。
当院にかかっている患者さんにも、会の存在を知らせると興味を持つ方も多く、私自身も、かかりつけ医に通っていても正しい情報が得られにくい現状では、より多くの方に会の存在を知って頂き、入会も検討して頂きたいと思っています。
特別講演のあと、朱鷺メッセ内ですが、会場から50メートル程離れた喫茶店で「柴田先生を囲む会」も開催します。20名程しか収容できませんが、「わんぱくアトピッ子クラブ」さんに興味のある方を中心に参加して頂きたいと思っています。1時間くらいを予定しています。
その間、私でよければ個別相談に応じます。園や学校で困っていることがあれば、もちろん、患者さんで対処法が分からないなど相談事があれば、私をつかまえて質問して下さい。時間の限り、対応させて頂きます。
新潟県は食物アレルギーに多くの問題を抱えています。私個人にできることは限りがあるとは思いますが、ある程度のことまではできるのではないかと思っています。新潟県にとって、いいと思えることはどん欲に全部やるようなつもりで、取り組んでいきたいと考えています。
取りあえずは、目前の第4回「すこやか健康フェア」を成功させたいと思っています。


