小児の細菌性髄膜炎を予防し、各自治体で無料化にされるなどして,いま注目の予防接種が肺炎球菌とヒブワクチンだと思います。
乳児に関しては、三種混合ワクチンの接種スケジュールとほぼ同一のため、三種混合、肺炎球菌、ヒブワクチンを一度に接種する同時接種を行う小児科も多くなってきました。“同時”とは、これらの3種類のワクチンを混ぜて打つことはできませんので、右腕と左腕の上側と下側(2.5センチ程離して)という具合にです。
「お母さんは3回も来なくて助かるけど、赤ちゃんにとっては迷惑な話だよね」なんて言いながら、当院でも2種類、もしくは3種類の同時接種を行っていました。
マスコミなどの報道でご存知の方も多いと思いますが、誠にお気の毒ですが、肺炎球菌とヒブワクチンの同時接種を受けたお子さんの死亡例が4件あったことが報告されました。
兵庫の宝塚市、西宮市、京都市、川崎市において、3ヶ月から2歳の子どもで、肺炎球菌、ヒブワクチンに、場合によっては三種混合ワクチンを加えた3種類の同時接種を受けた方が翌日から3日後に死亡したというものです。
厚生労働省は、両ワクチンの接種を当面見合わせる決定を行いました。金曜の午後に同時接種の子どもに死亡例が出たと言う一報があり、当院では独自に中止をしようと考えていたところ、4日の深夜に見合わせの報告がありました。
予定されていた方も多いとは思いますが、現在のところ死亡との因果関係は不明ですが、子どもの健康を守るためのワクチンが、死亡のきっかけを作った可能性を否定できないということで、しばらくの間は接種が中止されるものと思います。
今のところ、同時に無料化が進んでいる子宮頸がんワクチンについては、中止の指示は出ていませんが、実はこんな報告もあります。厚生労働省によると、子宮頸がんワクチンの接種後に「失神」の報告が相次いでいるそうです。肩に筋肉注射を行うのですが、ワクチン特有の強い痛みに自律神経が影響を受けることで、意識消失を起こしてしまうのだそうです。当院では少数にしか行っておらず、そういう副反応は起きてはおりません。
懸念しているのは、予防接種全体について親御さん達の方で接種を控えるムードが進むことです。他のワクチンは、特に心配はないものと考えており、厚生労働省の指示もありませんので、冷静に対応されることを希望したいと思っています。


