小児科 すこやかアレルギークリニック

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新しい治療
2011年02月12日 更新

医学は日々進歩しており、医師は新しい情報に常に耳を傾けていなければなりません。

いつも言っているように、以前は医師の経験と勘が重視されていたように思いますが、最近はエビデンス(医学的根拠)のある医療をやらなければならないとされています。

医学書を読んでも、なかなか伝わらない部分もあり、学会に行って日本の第一人者の先生から時間をかけて詳細を説明してもらい、研究結果を解説してもらった方が、よっぽど理解できます。

今年はスギ花粉の飛散が昨年の10倍とも言われております。スギ花粉症の患者さんには脅威でしょう。抗アレルギー薬の内服や点鼻、点眼では症状を抑えきれず、ステロイド薬の点鼻や点眼をしなければならない患者さんもおります。なかなか治癒させることは難しいとされています。

ただし、望みはあります。最近、食物アレルギーにおける「減感作療法」が注目されていますが、もとを言えばスギ花粉症にも減感作療法はありました。私の知る限り、70%ほどの有効率があります。

スギ花粉のエキスを注射することにより、体をスギ花粉に半強制的に慣れさせてしまおうと言う治療法です。そのためには、頻回に医療機関を訪れ、エキスを注射してもらわなければなりません。徐々に濃度を上げていくのですが、これが地道な作業で数年かかるとされています。2~3年間、定期的に病院へ行き、効果の発現もゆっくりとなると、治療を継続できる患者さんは相当限られます。当院もここまでの治療は行っておりません。

海外では、痛い注射でなく、パンなどにスギ花粉のエキスを染み込ませ、それを口に含むという形で治療できる方法があります。舌下免疫療法といいます。実は、今年か来年だったでしょうか、この治療法が日本でも行えるようになると言うのです。

小児のアレルギー性鼻炎も相当の頻度でみられ、そのうち、スギ花粉が原因なのがスギ花粉症です。当院は子どもの痛がること、つまり採血や点滴は必要最小限にしているつもりです。アレルギー性鼻炎の8~9割が治らないとの報告もあり、そんな中で、痛くない治療と言うのは魅力的です。

現在行われている、抗アレルギー薬の内服や点鼻、ステロイド薬の点鼻は根治はできず、対症療法です。言い方は悪いのですが、“その場しのぎ”と言えるでしょう。そんな病気を根治できる可能性を期待できるのであれば、私もアレルギー専門医として手がけてみたいと言う気持ちはあります。

学会などで、「まもなくこういった治療が日本でも行われる」と何度か聞いていましたので、私も知っており、期待もしています。実際に当院でも実施できるのかどうかが最大の注目点です。

食物アレルギーにおいて、食べられる・食べられないの判断は「食物負荷試験」でしか分からないと言われていますが、ほとんどの小児科で行われていないのが現状です。新しい検査法にチャレンジしていない医師が多いと言うことを意味してます。このスギ花粉症の舌下療法も、近いうちに日本でも認可されることを知っている医師は多くないと思います。認可されても、実施する医療機関は少ないと思っています。

「食物負荷試験」もそんな検査法があることすら、患者さんが知らされていないのは、どう考えてもおかしいことです。「こういう検査法がありますが、希望しますか?。当院ではできないので、やっている医院に紹介状を書きましょう。」というのが良心的な医師の姿勢だと思いますが、そうしている小児科医がいかに少ないことか。

スギ花粉症の舌下療法は、専門医の間では注目されており、今後のアレルギーの学会では発表や解説が多く行われるものと思います。当院も学会に参加して、そのノウハウを吸収してこようと思っています。その上で、当院のような小児科開業医でも実施できるのかどうかを判断したいと思っています。