小児科 すこやかアレルギークリニック

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知識は力
2010年04月24日 更新

先日、ゼーゼーいうと赤ちゃんが当院を初めて受診されました。

微熱があり、痰がらみの咳もしています。夜にゼーゼー言っているようです。初めてゼーゼーしたと親御さんはおっしゃいます。それまでは別の医療機関にかかっていたようです。よくあるパターンは、RSウィルスが見逃されていることです。

ゼーゼーいう場合は、ぜんそくの初めての発作かもしれないし、RSウィルスかもしれないし、その他の原因で起きているかを考えないといけません。ただし、いきなりゼーゼーした場合で、熱などの感染症状があればRSウィルスの可能性を考えたいところです。しかし、キチンとそれらを区別するには詳細な問診が必要にです。矢継ぎ早にいつくも質問するものだから、初めて受診したお母さんは目を丸くしています。

咳が出るとすぐに“風邪”と診断する医師もいますが、呼吸器の心得があれば問診だけである程度病気の区別は可能だと思います。RSウィルスの場合、小さな乳児を除き、高熱が出ることが多いように思いますが、最近は微熱でも見つかります。この患者さんもRSウィルスが隠れているのだろうと思いました。

RSウィルスにかかると、その後ゼーゼーを繰り返しやすいと言われています。私の専門とするアレルギーは、患者教育が必要です。慢性の病気だから、似たような症状を繰り返すので、親御さんも病気について知識は必要になります。医師が手取り足取り説明しているケースはさほど多くないと思われ、逆に「親御さん達が正しい知識を持たないと子どもを守れない」と診察室で繰り返し言っているつもりです。

ゼーゼーいう原因を明らかにするのが医師の役目です。RSが原因である可能性が高いと考え、「RSウィルスを調べてみましょう」と言おうとした矢先に、お母さんが「そういえば、昨年12月にRSウィルスにかかりました。その時ちょっとゼーゼーしたかな。」とおっしゃったのです。

RSウィルスはインフルエンザにA型とB型があるように、複数の型がありますので、何度もかかります。今シーズンは大きな流行がありましたが、2度かかった患者さんはいませんでした。予想するに、この患者さんはRSウィルスにかかったがゆえにゼーゼー繰り返しやすくなってしまったと思われます。

私はRSウィルスにかかった患者さんには、過半数が今後風邪を引く度にゼーゼー言いやすくなるから要注意だと伝えています。そう説明しておくと、次にゼーゼーした時に受診して下さいますが、かなりの頻度でゼーゼーしやすくなると実感しています。この患者さんの場合、そう説明されていなかったので、とてもビックリしていました。

ぜんそくを専門にしている私にとって、RSウィルスは小児ぜんそくと切っても切れない関係にあるため、RSウィルスはそれなりに知識を持っているつもりです。他の医療機関でも「今後繰り返しやすくなるかもしれない」とRSウィルスにかかった時点で説明していて頂くと助かるんですが、あまり説明されていないように思います。

この患者さんは咳き込み嘔吐もみられるそうです。知らなくても仕方ないのですが、大人と違い、子どもは咳き込んでお腹に力が入ると、その拍子に嘔吐することがあります。胃腸炎でも嘔吐はみられますが、RSウィルスやぜんそくの場合は、嘔吐により喉に溜まった痰が排出されるので、スッキリして眠れることが多いのです。そう説明すると「へーー」っと心底納得されていました。

残念ながら、このお子さんも今後ゼーゼー繰り返しやすくなるそうなるものと思われます。今回、キチンと説明し、有効であると言われる薬を処方しました。ちなみに“風邪”ではないので風邪薬は効果はありません。親御さんは、今後似たような症状が出ても驚かずに冷静に対処できるだろうと考えています。

お子さんを守るには正しい知識を持つ必要があるし、それが力になると思っています。