小児科 すこやかアレルギークリニック

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2010年06月23日 更新

いつも言っていることですが、新潟県は食物アレルギーを取り巻く環境が全国でもレベルは低い方です。それは現時点では事実だから仕方ありません。

しかし、先月の長岡市で開催された食物アレルギーのイベントで多くの方々と知り合うことができました。

米アレルギーがあると、「低アレルギー米」を使用することがあります。米アレルギーは重篤な症状を誘発することはまずなく、アトピー性皮膚炎の悪化として出ることがあります。実は新潟県内の企業が、低アレルギー米を開発しており、患者さんにはそれを使用して頂いております。同じ穀類として、小麦があります。小麦は現在、アレルギーを起こす食品のナンバー3となっています。その企業に「低アレルギー小麦は扱っていないのですか?」という問い合わせが多く、「それなら」と試行錯誤を繰り返しながら、小麦のタンパクを95%除去した製品を開発されました。新潟にも頑張っている企業があるのです。

当院には、微量の小麦でアナフィラキシーを起こしてしまうような患者さんが通院しております。子ども達の好きなパンや麺類が食べられないのです。中には、この会社の開発したクッキーやクラッカー、パンが食べられる患者さんもいると思っています。小麦アレルギーも軽症なら食べられるでしょうが、重症の場合は話が変わってきます。企業もその場合はどうなのか知りたいと思います。

小麦アレルギーのお子さんは、米菓が中心で、クッキーやクラッカーは諦めていたと思うので、この会社の製品が食べられるかどうかも、「食物負荷試験」をして食べられる食材を増やす努力をしていきたいと思っています。企業努力をしている地元のメーカーとは連携を図っていきたいと考えています。

もうひとつ、私にとって大きかったのは新潟市を中心に活動している「わんぱくアトピッ子クラブ」の皆さんと知り合えたことです。アレルギーで困っている親の会と言ったらいいでしょうか。県庁所在地の新潟市と言えでも、小児科は多いのですが、食物アレルギーに詳しい小児科医はほとんどいません。特に重症な食物アレルギーとなると、かかりつけから丁寧なアドバイスもなかなかもらえずに、困っている場合も多いと思います。そういう親御さん達が集まって、情報を共有すれば大きな力になります。

こういう会はとても有意義で、全国にも数多くあります。子どもを守ろうとする親のパワーはすごいです。普通の小児科医の数倍の知識があると言っても過言ではありません。私も大きな親の会の代表の方と面識があり、いろいろと教えて頂いています。申し訳ないですが、新潟にそういう会があるのは存じ上げていなかったのですが、今回知り合うことができました。

当院は、上越や中越といった新潟の南半分の地域からの患者さんを多く診ています。結構遠くからも食物アレルギーの相談があり、「食物負荷試験」を行い、無駄な除去や制限をなくす努力をしています。個々の患者さんには、自分の知識をフルに活かして対応しているつもりです。いつか食物アレルギーの親の会を作りたいと考えていました。ただ、私に統率力がないせいで、現実には未だに作れていません。

先の「わんぱくアトピッ子クラブ」さんでは、独自の会報やアレルギーの会の全国連絡会の会報も会員に送付し、情報を共有しているそうです。今回、「わんぱくアトピッ子クラブ」の会長さんにお願いして、会報を送って頂き、当院の待合室に置かせて頂くことになりました。当院で診ている食物アレルギーで困っている親御さんにとっても、勉強になるはずですし、別の角度から情報を得ることで心強く感じることができるのではと思っています。

これまでの新潟県内の食物アレルギーの患者さんは、明らかに情報不足でした。アレルギー検査のみで食べられる食べられないの判断をされ、我慢を強いられてきました。当院が「食物負荷試験」を広めようとしても、小児科医の協力がほとんどなく、あまり認知度を高めることができずにいます。しかし、当院に限らず、食物アレルギーを持つ親御さん達が結束し、正しい知識を持てば、当然「食物負荷試験」を認識するに至ります。となると、かかりつけ医が正しく、新しいことをしてくれているのかを知ることになります。かかりつけ医もウカウカしていられなくなると思うのです。

私の夢のひとつは、新潟県に「食物負荷試験」のできる施設を増やし、食物アレルギーで困っている患者さんに適切な医療を受ける場を広めることです。敢えて言いますが、既存の開業医が「食物負荷試験」をやるのは難しいと思います。なぜなら、ちょっと勉強したくらいでできるようになる代物ではないからです。専門施設で技術を学ぶことが必要だと思います。地域の中核病院が手がけるべきものだと思っています。

当院では、毎年10月に「すこやか健康フェア」と称して食物アレルギーを中心に、県民の方々に啓発活動を行っています。今年も10月2日に地元上越市で行いますが、今の構想としては、来年は「わんぱくアトピッ子クラブ」さんとのコラボで新潟市で「すこやか健康フェア」を開催したいと考えています。新潟市の方が患者さんが多いはずで、離れた上越市でやっているので参加したくても参加できなかった方々にも専門的な知識を勉強して頂きたいからです。

同業者で食物アレルギーに理解のある人は少ないので、県内の企業や親の会の方々と連携しながら、新潟県の食物アレルギーのレベルアップを図っていこうと思っています。