実は、当院の診療のやり方について悩みを抱えています。
アレルギーは慢性疾患であり、風邪や胃腸炎などと同等に扱われるべきではありません。
他の医療機関で良くならないと、当院を受診されるケースが多いように思っています。市外からの受診もかなりの割合を占めています。こういうケースでは、聞き飽きたかもしれませんが、ほぼ間違いなくぜんそくやアトピーが的確に診断されておらず、つまりは適切に治療されておりません。本来なら有り得ない話ですが、毎日のようにこんな患者さんが受診されているのです。
当院では、正しい診断をガイドラインを手に説明し、やはりガイドラインに沿った治療法をお勧めしています。説明しなければいけないことが多く、15分、20分はすぐに経ってしまいます。私がこれまでと同じ医療をしていれば、患者さんが救われないし、プロとしての名が廃ります。
私の悩みが何かと言うと、予約法についてです。一般的に小児科では、例えば10時から10時15分の間に何人かの予約を取ることができると思います。具合いが悪るければ、予約がない場合でも、予約の患者さんの間に上手に組み入れているのだと思います。時間がかかってしまうと、予約時間を守ろうと診療のスピードを上げて帳尻を合わせようとするのが普通だと思います。
そのやり方には、落とし穴があると思っています。どういうことかと言うと、アレルギーの患者さんが見逃され、しかも充分な説明が受けられない可能性があります。
アレルギーの患者さんの重症度によっては説明しなければならないことが沢山あるし、ぜんそく、アトピー、食物アレルギーを合併していると、3つの病気の説明をしなければなりません。二人の医師が全く違うことを言うと、患者さんは混乱します。往々にして最初にかかった医師の言うことが頭の大部分を占めているため、それが正しくなければ、理論的に分かりやすく説明し、頭を整理して頂く必要があるのです。
当院も、患者さんが受診しやすいように、予約時間を決めています。しかし、そんな患者さんが多いため、往々にして予約時間が遅れてしまうのです。予約を守ろうと、説明すべきことを端折ってしまうと、多くの患者さんが大きな期待を持って、場合によっては遠方から受診して下さっています。患者さんは救われないことになりますし、裏切ってしまうことになります。
しかも、当院は小児科ですから、発熱や嘔吐のお子さんも受診します。具合の悪い患者さんを予約の患者さんの間に入れて、診療を進めなければなりません。新患の患者さんが多いと、大幅に遅れてしまい、「何のための予約時間だ」とお叱りを受けることもありました。他の小児科でも予約時間の問題は悩みの種だと思うのですが、アレルギーを専門にすると、尚更シビアな問題になります。
スタッフとも相談した上で、先月から水曜日、今月は土曜日と「予約なし」にしてみました。つまり、“早いもの順”としてみました。もちろん、けいれんを起こしたり、嘔吐を繰り返している場合は、常識の範囲内で早めに診察に回すこともありますが、「早く来た方が早く診てもらえる」ことになるので、ある意味分かりやすいと思うのです。「受付が何番だから、あと何人だ」と待つ目安になるのです。
ただ、問題もあります。先の述べた通り、当院は市外からの患者さんも多いのです。早く来たくても来れないので、より一層待ち時間が長くなることになります。また“予約を取る”ということは、“その日に診てもらえること”を表します。「予約が取れなかったので、よその小児科に行きました」と言われることもありました。当院がぜんそくと診断して、症状が悪化した時にぜんそくの治療をしている場合でも、風邪薬しか出されないこともよくあります。できれば、病態を分かっている当院で適切に対応するのが望ましいのだと思います。
予約を取る方がいいのか、早いもの順がいいのかは、各患者さんによっても異なるのだと思います。軽い人は薬をもらって早く帰りたいと思っていらっしゃるでしょうし、重い患者さんは待っても納得いくまで説明してもらい、キチンと理解して帰りたいと考えると思うのです。いろんな患者さんがいるでしょうから、この議論は、どちらが正しいと結論は付けられないのだろうと思っています。
当院は小児科ですから、子どもの健康を第一に考えています。ただ、他にも小児科はありますから、アレルギーの子どもも見落としなく、専門的に医療をすることを期待されているのだと思います。となると、本来当院で診るべきお子さんが、予約が取れないと他院を受診されることは避けなければならないのだと思っています。
今月の水曜日は、元に戻し「予約を取る」ようにしています。試行錯誤をして悩もうと思っています。ご意見がありましたら、ホームページからでも遠慮なく言って頂けたらと思います。


