先日、関東のある県在住の食物アレルギーの子を持つお母さんからメールを頂きました。
2月に行われた「食物アレルギー研究会」に患者の立場で参加されていました。私もその場で新潟県の食物アレルギーの現状について発表させて頂きました。ある小学校で給食の対応を巡り、何か問題が起きても学校側に責任を問わないとする承諾書に半ば無理矢理サインをさせられそうになった保護者の話もさせて頂きました。
メールを頂いたお母さんは、ちょうどこの春にお子さんが小学校に上がるということで、心配されていたようで、私に相談のメールを送って頂いていたのです。学校側の対応も最初は不安があったものの、主治医の先生の協力もあり、元気に学校に通っているという報告をして頂きました。こういう報告を頂くと、こちらも元気になります。有り難いことです。
当院のホームページをよく見て頂いているようです。少し前に新潟県内の放送局が食物アレルギーの取材のために当院を訪れれてくれたことに触れましたが、放送の様子がインターネット上のYou Tubeにアップされているため、ご覧になったそうです。
実は、そのお母さんとはお会いしたことがありません。食物アレルギー研究会の際に、遠くから私の発表を聞いていたそうで、私の顔まではよく見えなかったとのことです。実際に放送の様子をご覧になった印象は、私のことを「意外と若い」と思ったそうです。うーん、そうなんでしょうか??(汗)。
私がこの場でよく言っているように、どの医療機関でも均一なレベルの高い医療が受けられることを目的として各疾患における「ガイドライン」が作成されています。ぜんそくもアトピーのガイドラインが作成されて10年ほどになります。食物アレルギーに関しては5年経ちます。
残念ながら、このガイドラインは発表されて10年経っているにもかかわらず、アレルギーの専門医以外には普及しているとは思えません。もちろん、参考にされている先生もいます。しかし、“我流”の治療をされている先生がいるのも事実です。
食物アレルギーのガイドラインではアレルギー検査は参考程度に留め、「食物負荷試験」をやって食べられる、食べられないの判断をするよう推奨しています。いくつもアレルゲンがある場合は、アレルギー専門医に紹介することも明記されています。しかし、一向に「食物負荷試験」は普及しないし、専門への紹介もほとんど行われていません。“5年しか”経っていないからでしょうか?。
一般的に、どこの小児科でもそうでしょうが、特に開業医には患者さんが押し寄せ、外来は時間との勝負という感じだと思います。また、医師は何か問題を起こしてしまうと一気に評判が落ちるので、リスクを嫌うところもあるでしょう。「食物負荷試験」はアレルゲンを医師の目の前で食べさせる訳ですから、万が一、重い症状が出てしまった場合、言い訳も何もできません。私は「食物負荷試験」が普及しないのは、“時間がない”、“リスクがある”のが理由だと思っています。
医師は若い医師から年配の医師までいます。年配の医師の方が経験豊富で、頼り甲斐があると思います。それは親御さんにとっても大きな安心だろうと思います。そんな中、これまでやってきた対応で困っていなければ、「敢えて変える必要がない」と考える人もいるだろうと思っています。特に「食物負荷試験」はそれなりに知識と技術がなければ、簡単にできるものではないと思います。
となると、ガイドラインに触れる機会も多いでしょうから、逆に若い先生の方がガイドラインを受け入れやすいのだろうと思っています。実際に、私の知っている範囲で、特に同じ開業医という立場で「食物負荷試験」を積極的に行っているのは、私と同世代の小児科医が多いのです。
間もなく参議院議員選挙がありますが、民主党も若い力に期待し、私の同年代の議員が幹事長、政調会長のポストを任されています。ぜんそくもアトピー性皮膚炎もそうですし、食物アレルギーもそうですが、若い世代が「ガイドライン」を普及させていかなければならないのだろうと思っています。


