11日は参議院議員の選挙でした。
一国民として日本経済を何とかして欲しいと思っていますが、私自身は小児科医でもありますから各党のマニフェストの中の「子育て、教育」の問題が気になります。
子ども手当や園や高校の無償化が注目されていますが、病児保育の拡充を挙げた党もありました。確かに日々診療していると、病児保育の指示書の記載を求められることもあります。以前はあまりそんなことはなかったので、ニーズは大きいのだろうと思っています。
当院は、アレルギーを中心に専門的な医療を提供しています。いつもこの場で過小診断、過小治療で困っている患者さんが多いと書いています。同業者もそれを見ていると思うのですが、相変わらず上越市や市外からも適切な医療を受けられていない患者さんが連日、受診されています。
患者さんは医師の言うことは“絶対”だと思っている方が多いのです。信じて通っても、あまりにも症状が良くならないと当院を受診されています。一度説明されたことは結構頭に残っていますから、診断が違えば違っていることを時間をかけて説明しないといけません。治療も「ガイドライン」を示して適切なものをお勧めしています。とにかく時間がかかるのです。
当院かかりつけの患者さんから「病児保育をやって下さい」と言われることもあります。当院は、「新潟県の子どものアレルギー医療のレベルアップを図る」というのが開院のコンセプトです。先の述べた通り、アレルギーの診療だけで手一杯であり、私の体一つではどうしようもありません。小児アレルギーの専門医は県内には極めて少ないのが事実です。私の役割は決まっていると考えています。引き続き、適切な治療を受けられていないぜんそくやアトピー、食物アレルギーの子ども達を救うことをメインに据え、診療を続けていきたいと思っています。
一般的な小児科は、ある意味“季節労働者”です。冬はインフルエンザの流行に示されるようにどの紹介でも患者さんでごったがえすのが普通です。一方、夏場は感染症が少なければ、ゆったりとした診療になると思います。病児保育は、感染症の流行の有無でニーズが多いか、ほとんどないのか大きく変わります。
そういった性格もあり、中には累積赤字が数千万か数億に上る施設もあるとインターケットか何かで見たことがあります。個人の施設で、それだけの不採算があれば、継続は困難だと思います。逆に、それを帳消しにしようとするような医療が行われないかと心配になります。
いずれにしても、病児保育のニーズが大きいのは事実です。着目してくれた政党があることが有り難く思います。ただ冒頭に述べたように、アレルギーの専門医が極めて少ないのが現状です。特に食物アレルギーは乳幼児に5~10%の頻度でみられるにもかかわらず、「食物負荷試験」を行っている施設がこれだけ広い新潟県において、ほんの数施設しかないことにも注目して欲しいと思っています。病児保育をやっている施設よりも明らかに少ないのです。
救急医療、特に小児救急が医師不足で深刻な状況になっていることをマスコミが取り上げたこともありました。少しは改善策が取られるようになっているように思います。アレルギーを専門とする私としては、子どものアレルギーも患者さんが多いにもかかわらず、適切に診断・治療されていないケースがとても多いことも、もっと取り上げて欲しいと思います。そういうところから社会が関心を持ち、場合によっては政治がそれを解決するように動いていくのではないかと思っています。


