今回の参議院選挙でもっとも躍進したのが、「みんなの党」だったと思います。
民主党や自民党が増税を匂わせる中、みんなの党が終始「無駄遣いをなくす。増税はそれから。」と言い続けていたので、そのブレない姿勢が「ちょっと期待してみようかな」という気持ちにさせ、有権者の支持を集めたのではないかと思っています。
全く同じことが、医師にも言えると思っています。風邪を引くとゼコゼコいいやすいお子さんがかかりつけに行くと、いつも「風邪です」と言われていたのに、いつもと同じ症状なのにいきなり「ぜんそく性気管支炎」と診断され、「ぜんそくの可能性があるなら」と慌てて当院を受診された親御さんがいらっしゃいました。お母さんは「いつもと同じ症状で、同じことを言われると思ったのに、違うことを言われ戸惑った」とおっしゃっていました。
咳が長引き、ゼーゼーいった患者さんにぜんそくの治療をしているようなのですが、別の患者さんで咳が止まらないと「園の先生に勧められて受診しました」と当院を受診されることもあります。私からみれば同じような症状なのに、風邪としか診断されていないのが咳が止まらない理由と判断されるケースもあります。ぜんそくの症状に“風邪薬”は効きません。同じ目線でみてあげれば、患者さんによって治療が変わるということはあまりないと思うのですが。
アレルギーではないのですが、マイコプラズマと診断していて、それ用の抗生剤の点滴に通院させておいて、熱が下がらないと、「方針を変えます」と別系統の抗生剤の点滴をすると説明され、心配になって当院を受診された患者さんもいます。血液検査でマイコと診断されたようなのですが、マイコという診断に自信があれば、別のマイコに有効とされる薬に変更すべきではないかと思ってしまいます。ブレが患者さんを不安にさせたのだと思います。ちなみに、この患者さんはマイコではありませんでした。だからマイコの薬が効かなかった訳です。
先日、別の市から受診された患者さんは、皮膚科で「アトピーかもしれない」と言われたことがあるくらいだったそうです。診断名もハッキリ告げられず、痒みが続くため、当院を受診されたということでした。私からみれば典型的なアトピー性皮膚炎だったのですが、キチンと診断してあげるべきだろうと思いました。以前、アトピーと診断されていた患者さんが当院を受診されていましたので、「どうして診断しないのだろう?」と思ってしまいました。
失礼な言い方になってしまいますが、皮膚科の先生なので分からないはずはないのです。皮膚科も小児科と同じように、どこも混んでおり、一人当たりに時間はかけられないというか、かけていないところが多いと思います。中には「アトピーと診断することで、いろいろと質問攻めにあうから」と考える医師もいるかもしれません。
しかし、診断もされない上に治りも悪ければ、患者さんの不安に拍車がかかります。「アトピーです」と診断されて初めて、慢性の経過をたどる病気だからすぐには治らないと理解して、腰を据えて治療にかかろうと考える患者さんも少なくないはずです。それにしても、診断している場合としていない場合の違いは何だろうと思ってしまいます。
確かにアトピーと言っても、患者さんによって重症度や治療の反応、経過は様々です。しかし、私のよく言うガイドラインに沿って対応すれば、診断や治療でバラツキが出ることは少ないと思います。もちろん、ぜんそくも同じことが言えます。ガイドラインに従えば、ゼーゼーを繰り返す患者さんに“風邪”と診断して“風邪薬”しか出していなかったり、吸入ステロイドまで使っていたりというブレもなくなると思うのです。
患者さんは医学に詳しくないから医師を頼るのであって、典型的なアトピーでも「乳児湿疹です」と言われれば信じてしまうし、ゼーゼー繰り返す“風邪”なんて冷静に考えれば存在しないのに、自信満々?に「風邪です」なんて言われれば、信用してしまうのです。医師が丁寧にその期待に応えようとしなければ、患者さんを裏切ることにつながります。敢えて言いますが、期待に沿えていない医療をしている医師は、特にアレルギーに関しては多いように感じています。
ブレない医療を継続することが、患者さんから信用を受け、支持されるのだろうと思っています。


