NHKの大河ドラマ「龍馬伝」が終わりました。
この1年間、ずっと楽しみにしていたので、終わったとなると寂しいですね。志なかばで刺客の手により暗殺されてしまうという最期も、寂しく思います。
坂本龍馬ファンは多いと思いますが、私も龍馬に惚れてしまった一人です。日本の行く末を考え、命をかけて日本の方向性を具体的に示した志の高さや行動力は、すご過ぎますし、憧れます。
さて、土曜に市内の園の先生方に感染症の話をしてきました。1ヶ月以上前から自分なりに準備を進めてきましたが、直前になっても「アレも話さなければ、コレも追加しよう」なんて考え、結局講演の前日と前々日はほぼ徹夜に近い状態でした(汗)。
土曜の午前中の外来も混雑しており、14時から講演スタートだったのに、13時半まで診療が終わりませんでした。それから2時間以上、話し続けました。時間が余ることを心配していましたが、結局時間が足りませんでした。
この場で普段から、ぜんそくを“風邪”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”と誤って診断され、過小治療により良くならないで困っている子ども達が当院を受診していると言っています。感染症に関しても、診断が正しくなかったり、検査費用が損になるからだと思いますが、RSウィルスやノロウィルスを疑っても検査をされていなかったり、ウィルス感染と分かっていて効果のない抗生剤の点滴をしているといった医療が行われている場合もあります。過小や過剰をなくすのが、我々医師の役目だと思っています。
子どもを扱う園の先生方には、各感染症の症状も知って頂く必要もありましたが、医師によって医療の質が変わってしまうことも事実であることを認識して頂こうと思いました。坂本龍馬じゃないですが、「志」って医療にも求められるものですし、一番大切なんじゃないかと思っています。
そのひとつの例として、講演会の会場の参加者のすべてが園の先生でしたが、RSウィルスをご存知かどうか手を挙げて頂きましたが、3割もいなかったと思います。
これって医師の責任以外に理由はあるだろうか?って思います。地元でRSウィルスを、自腹を切って調べている小児科医もいますが、調べない医師もいます。ある子どもを預かる施設に登録しておくと、定期的に感染症情報が送られてくるそうですが、RSウィルスのことは何も触れられていなかったそうです。あるお母さんからそのことを聞いたのですが、実はそのお子さんがRSウィルスにかかり、呼吸困難を来したため、外来治療では難しいと考え、病院に紹介し治療を委ねました。RSウィルスが恐い病気であると身を持ってご理解頂けたと思います。
また、先週、地元のニュースで「今年も流行性胃腸炎が流行りだした。そのほとんどがノロウィルスだと“思われる”。」なんて報道していましたが、確かに私の医院でも胃腸炎の患者さんが増えてきました。ただちょっと下痢をする程度の軽い症状が多いので、本当にノロウィルスだろうかと考えていました。先日、明らかに症状の重い胃腸炎のお子さんがいて、ノロかどうか調べてみました。もちろん、検査費用は自腹です。
結果は、陰性。ノロではありませんでした。その他に強い症状をきたすロタウィルス、アデノウィルスも有り得ますが、これらも検査しても陰性でした。検査結果を信用すると、ノロでもロタでもアデノウィルスでもない、胃腸炎の病原体が原因だということになります。
毎年冬になるとノロウィルスが流行るにも事実ですから、流行の中でノロウィルスが増えているのも確かなのだと思います。どれだけの医師がキチンとノロを調べているか分からないことを考えると、流行りだした胃腸炎の原因が「ノロウィルスがほとんどだ」という根拠は何処にあるのだろうかと思います。報道は正しい情報を流す義務があると思っています。
感染症も、正しく診断し、適確に“対処”することが大切だと思っています。先日の講演会でも強調してきましたが、インフルエンザと水痘以外のウィルス感染は、特効薬がないため、積極的に“治療”はできません。ですから、さっき“対処”と書いたのです。
講演の後、数人の園の先生とお話ししましたが、抗生剤を出す医師が多いので、ウィルスにも効くものと思っている方もいらっしゃいました。これは上越だけではないでしょうが、申し訳ないですが、医師の努力不足でしょう。正しい情報発信ができていない証拠です。
今回の講演会の準備で、私自身も勉強し、再認識したこともあります。せっかく100枚以上のスライドにまとめましたし、子どもは発疹をきたす病気にかかりやすいので、典型的な発疹もスライドに載せました。一応、私の力作です。データを今後も役立てて頂こうと、スライドを供与することにしました。少なからず役立てて頂けるものと確信しています。
地元の患者さんの感染症の知識は、まだまだ高めなければならないと思います。アレルギーだけでなく、感染症についても正しい情報を広めなくては、という志は持っています。
当日の講演の話の内容が良かったかどうかは分かりません。ただ、自分なりに講演の準備にかなりのエネルギーを注いだつもりです。そのお陰で、無事に終わった安堵感もあり、講演の帰りに寄った本屋で倒れそうになりました(大汗)。
犬の散歩でもしてリラックスしたいものですが、ホッとしたのもつかの間、12月4日、5日に迫ったアレルギー学会のスライドを作らないといけません。今回の感染症の講演の準備にかかりきりだったので、スライドは1枚も作れていません。発表のネタのデータ整理から始めなければなりません。
今度は全国学会で、多くのアレルギー専門医が聴衆なので、それこそ恥ずかしいことはできません。日曜も医院のパソコンに向かっていました。まだ他にも食物アレルギー研究会の発表の準備なども控えており、勤務医時代よりも忙しいのかなと思っています。
アレルギーの講演は何度もやっていますが、これからは感染症の話も依頼されるように、高い志を持って真面目に診療に取り組んでいこうと思っています。


