昨日も書きましたが、12月4日(土)、5日(日)と横浜で日本小児アレルギー学会が開催されます。
私も平成13年から連続で10年連続で参加しており、平成14年から学会発表も続けています。今回も発表があり、9年連続10回目であり、イチロー選手の10年連続200本安打とほぼ一致しているため、どちらの記録が先に途切れれるかとライバル意識を燃やしています(笑)。
日常診療をして、更に学会活動もしてというのは、結構大変です。ただ、アレルギーの専門医なら自分の技術を磨き、日頃から問題意識を持って医療をしなければならないと思っています。新潟県では、日本小児アレルギー学会への参加さえも多くなく、アレルギーが良くならずに困っている患者さんの“最後の砦”を目標にしていますので、私は是が非でも参加しなければならないのだと思っています。
有り得ない話なのですが、今回の発表のスライドが出発前日の2日の時点でできあがっていません(泣)。
最近、外来が極めて忙しいのと、先週の上越の園の先生方への感染症の講演の準備があったのがその要因でしょう。発表の構想は頭の中でできあがっているつもりなので、やればできると思っていたのが、こんな直前になってしまいました。3日の朝に完成予定です(汗)。
日頃から真面目に診療しているつもりですが、最近は生後2、3ヶ月などの赤ちゃんの受診が目立ちます。兄や姉がかかりつけの場合もあるし、初診として来られることもあります。
その中で、生後3ヶ月の赤ちゃんが鼻水が出たため、ある耳鼻科を受診したそうです。そこでの診断は蓄膿症。1週間に2回くらい吸引に受診するように言われたそうです。
それを聞いて、ビックリしました。正直なところ、以前にもそんな指導してることは知っていたので、そんなに驚きませんでしたが…。
私の認識では、生後3ヶ月の蓄膿症は「有り得ません」。蓄膿とは、膿が溜まると書きます。鼻の両脇の骨の部分に上顎洞という空洞があるのですが、そこに膿が溜まるのです。そこは鼻の中からも見えないため、一般的には鼻のレントゲンを撮ります。通常は、黒く抜けて写るのですが、そこに白い影が写ることで診断します。
その空洞は、赤ちゃんでは未発達なため、膿が溜まりようがないのです。ですから、蓄膿症は有り得ないと言うのが私の認識でした。
日頃から根拠のない医療はすべきでないと言っています。当院は開院して3年を過ぎましたが、未だにゼーゼー繰り返しても“風邪”と診断されていたり、アトピー性皮膚炎の典型なのに“乳児湿疹”と診断されて、症状が改善していない患者さんが連日受診されています。良くなっていないのに、同じ薬が出し続けるのはおかしいと言っているにもかかわらず、そういうことが繰り返されています。そこへ来て、3ヶ月の蓄膿症です。
小児科と耳鼻科は、鼻炎や中耳炎などの共通の病気を扱っています。当院へはいろんな耳鼻科で治療を受けてきた患者さんが来ておりますので、だいたいどの先生がどういう医療をしているか、分かっているつもりです。つまり、私の見方ですが、お薦めとそうでない耳鼻科を把握しています。
3ヶ月の蓄膿症は有り得ないと言っても、中には「小児科医に何が分かるの?」なんて言う親御さんもいらっしゃることでしょう。セカンドオピニオンではないですが、鼻の処置までできない当院としては、お薦めの耳鼻科に行って頂くしかないのです。
親御さんに、お薦めの先生に「3ヶ月の蓄膿症はあるか聞いてみて下さい」と聞いてみてごらんと言いました。先日、当院を再診された時に聞いてみたら、「3ヶ月の蓄膿症は有り得ない」と言われたそうです。
蓄膿症は、のどの奥に鼻が垂れることがあり、気管支炎を繰り返して、ぜんそくとの区別をする必要が出てくることもあります。ですから、アレルギーの専門医なら、蓄膿症の知識も必要とされています。先日の園の先生への感染症の講演の時に、話のメインはインフルエンザとノロウィルスだったのですが、敢えて蓄膿症にも触れて、乳児の蓄膿症は有り得ないと言っていました。
申し訳ないですが、地元ではビックリするような医療が行われていることもあり、お子さんの身を守る意味でも「お医者さんに任せておけばいい」という時代は終わったことをハッキリと覚えておいて頂きたいと思っています。
別の耳鼻科で、中耳炎の痛み止めとしてポンタールという薬が処方されていました。ポンタールはかなり昔に私も使うことがありましたが、最近ではインフルエンザ脳症との関連が指摘されて以来、小児科医はまず使わない薬です。小児科医のルールのようになっています。
余談ですが、ある科に小さなお子さんが受診した際に、診察を嫌がって暴れた時に足が医師のお腹に当たったのだそうです。虫の居所が悪かったのかもしれませんが、その先生はお子さんの頭を叩き返したそうです。全くもって有り得ない話です。
年長児では、蓄膿症はそれなりの頻度である病気です。蓄膿症なら鼻に膿が溜まる病気なので、抗生剤を使うのが基本なはずですが、抗生剤を使わずに頻回に受診させているところもあるようです。「この先生は何をやりたいのだろう?」と思ってしまうこともあります。
やはり、通院しても良くならない時は納得いくまで質問することが大切ですし、自分のなされている医療が適切かどうか、他の医師に相談する姿勢が求められるのだと思います。小児に関わる科ならだいたいお薦めの医院は把握しているつもりですので、受診した時に聞いて頂ければお教えします。
週末の学会は、日曜の夕方までびっちり行われます。食物アレルギーのシンポジウムもあり、それも聞かなければなりません。となると帰りは日曜の夜になってしまいますし、翌日は忙しい月曜日です。早く犬の散歩でもして、ゆっくりできる時間が欲しいというのが私の本音です(笑)。


