小児科 すこやかアレルギークリニック

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負荷食材を急遽、変更
2010年12月18日 更新

感染症の患者さんが多い中、「食物負荷試験」を行っています。

食物アレルギーで相談に来られる患者さんが後を絶たず、正しい医療を受けたいという患者さんが多いことを表していると思っています。「食物負荷試験」は専門医しか行っておらず、同じ小児科医でも知識や技術が大きく異なることを知って頂かなければなりません。

未だに、小児科医であればみな同じ、と思っている親御さんが多く、「食物負荷試験」をやっていない医師がほとんどです。「食べない方がいい」と言っておくのは一言で済むため、とっても簡単です。敢えて言えば「小児科医は誰に診てもらっても同じと思ってもらっちゃ困る」のです。とにかく「食べさせてあげたい」という“正義感”が重要です。それに尽きます。

「食物負荷試験」は卵アレルギーなら、加熱したMサイズの鶏卵1個を負荷して、アレルギー症状が誘発されなければ、OKです。その場合、充分に加熱してあれば卵アレルギーは克服したと言っていいはずです。

加熱した鶏卵は、ゆで卵だったり、スクランブルエッグだったりします。当院の場合、甘くして食べやすいと考え、卵焼きを使用しています。問題なのは、お母さんが日頃から卵料理を食べないように言っているため、いざという時に食べてくれないことです。

先日、卵焼きの負荷試験を行った時に、2種類の加熱した鶏卵を持って来られたケースがありました。ひとつは普通の卵焼き、もうひとつはゆで卵です。

甘く味付けしてあれば食べるのではないかと、卵焼きから負荷試験を始めました。ところが「口が痛い」と言ってほとんど口にしてくれません。「口が痛い」と言われると、それがアレルギー症状なのか、そうでないのか本人にしか分からない感覚なので、困ってしまいます。軽いアレルギーは口の中の違和感という形で出るからです。ただ、2歳くらいのお子さんのいうことなら、それがどこまで本当かということになります。

当院では、ゆで卵は負荷試験の材料にあまり使っていません。独特の匂いがあるし、ほとんどの子が卵焼きなら食べてくれるため、それで困っていないからです。ただ、負荷試験は食べてくれなければ始まりません。

今回のケースでは、ゆで卵に切り替えました。なぜなら、お母さんからの情報で、上の子が殻を割ってゆで卵を食べているのを見て、同じことをやりたがっていたからです。それも食べてくれなければ、いち大事です…。

ゆで卵にしてみたら、なぜか白身だけ食べて、黄身は残したそうです。卵アレルギーは圧倒的に黄身でなく白身で起こします。逆は困るけれど、白身さえ食べてくれればオッケーです。意外にもパクパク食べてくれました。

結局、最後まで食べきりました。これで「口が痛い」というのがアレルギー症状でないことが証明されました。同じ白身の入った卵焼きで出て、ゆで卵では出ないなんてことはないからです。

ちなみにこの子は、アレルギー検査で卵白が陽性でした。小児科医から卵を除去するように指導しているようなケースです。プロの手にかかれば、除去を続けるように指導されているケースでも、“除去の必要がない”ということになってしまうのです。

このお子さんが卵焼きで「口が痛い」と言ったのには訳があると思います。日頃からお母さんが、お子さんが食べたがるのを「食べてはいけない」と言わざるを得なかったため、お子さんもそういう知恵がついてしまったのでしょう。もしかしたら“黄色いもの”が苦手になっていたのかもしれません。

除去の期間が長ければ長い程、その“知恵”が定着してしまい、いざ「食べてみよう」と言っても精神的に食べられなくなってしまいます。今回、お母さんの機転でゆで卵を持ってきて頂いてよかったと思っています。