小児科 すこやかアレルギークリニック

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ぜんそく児を守る
2011年03月24日 更新

先週の土曜、15時に外来が終わり、その後に昼食を食べることなく、2件の「気道過敏性試験」を実施しました。

一人当たり1時間くらいかかるのですが、私が個人的にこだわってやっている検査なので、診療中にはできません。私の体の空いた時しかできないのです。つまり、土曜の午後にやるしかないという訳です。

例えば、咳の長引く患者さんがいたといます。マイコプラズマや百日咳、結核などの気道感染症も頭に入れておかないといけないし、蓄膿症があり、鼻水が刺激となって咳が長引く副鼻腔気管支症候群という病態も想定しておく必要があります。もちろん、ぜんそくも充分考えられます。

ぜんそくは、気管支が過敏だからこそ起きる病気です。「気道過敏性試験」は気管支の敏感さを調べる検査ですので、この検査をして異常な結果となれば、ぜんそくの可能性が高まります。つまり、長引く咳の鑑別に利用することもできます。

もうひとつの利用法として、気管に過敏さが残っているがために、まだぜんそく発作を起こしやすいかどうかを調べるというやり方もあります。言い方を変えると、ぜんそくが治ると、気管支の過敏さはなくなってきているはずですから、ぜんそくが治ったかどうかの判断材料にもなると考えています。

ぜんそくには2種類の治療があり、発作を起こして苦しくなれば、いち早く楽にしなければなりません。発作に伴う症状を軽減させる治療が必要になります。もうひとつは、発作を起こしにくいクセを付け、ぜんそくから足を洗うようにする治療です。中・長期的に経過をみながら、治療をする方法です。もちろん、呼吸困難を起こしている患者さんを早急に楽にすることは大事ですが、小児科医は小児ぜんそくを大人に持ち越さないようにすることが重要です。これを長期管理といいます。

一般論として、ぜんそくの患者さんにはある程度の長期間に渡り、発作のない状況を作ることが大切とされます。治療してみて、例えば2年ほど経過したとします。何の目処もなく治療を続ける訳にはいかないので、「そろそろ治療を止められないか?」と悩む必要も出てきます。

いきなり「エイ、ヤー」と止めては、患者さんに失礼だし、キチンと根拠のある判断材料をもとに、減量や中止を考えなければいけないのです。当院では、その目安として「気道過敏性試験」を行っています。

先週末に、ひとりはこの「気道過敏性試験」が異常なかったので、晴れて治療を中止してみることにしました。発作を繰り返し、睡眠障害を起こす様子をみてきたので、私としても感慨深いものがありました。

もうひとりも、異常なしといって欲しかったのですが、途中でダメになってしまいました。つまり、一見発作をかなり起こしにくい状況になっていると思われたのですが、この検査により、まだ発作を起こしやすいことが証明されました。

もし、「そろそろいいだろう」なんて感じで治療を中止していたら、また感染をきっかけにゼーゼー言ってしまった可能性が高いのです。そういう意味では、治療を止めるのは時期尚早と分かった訳ですから、患者さんにご迷惑をお掛けせずに良かったと言えると思っています。私はぜんそくのお子さんを守るには、これくらいやらなければならないと考えています。

地元でみてみると、「気道過敏性試験」をやっているのは当院のみですが、ここまでやっている医院もあれば、長期管理を一切せずに発作を起こすと点滴に通わせているような医院もあります。患者さんにしてみれば、どちらも「小児科」ですので分かりづらいのですが、裏側というか、やっていることは大きく異なります。

慢性疾患は主治医の知識や技術により、治る治らないが変わってくる可能性があります。親御さんは誰もご自分のお子さんの病気を治したいとお思いのはずです。治療が上手くいっていれば、発作を起こさなくなるので、点滴はしなくて済むはずなのです。もし点滴を繰り返しているようなら、治療が適切でないのではないかという“疑惑”も生じます。ちなみに、当院には点滴を繰り返し行っている患者さんはひとりもおりません。

予防治療を一切しないというような、“治る治療”をされていないこともあり、ぜんそくで治療中の親御さんは、主治医に治療方針などを納得いくまで説明してもらうことをお薦めしたいと思っています。